S&P500と全世界株式の比較

地域別ではS&P500が「アメリカ集中」、全世界株式が「47ヵ国分散」となります。企業数も500社対3,000社と大きく異なります。

リターンで見ると、特に20年という長期ではS&P500が明確に優位でした。100万円を20年間投資していた場合、S&P500は1,019万円、全世界株式は703万円と、300万円超の差が生じます。

ただし、2025年は全世界株式がS&P500を上回るリターンを記録しました。これは、AI関連でNVIDIAが急伸した一方、TSMCやASMLなどアメリカ以外の企業も注目を集めはじめた影響です。

つまり、過去20年は「アメリカ一強」の時代でしたが、2020年以降はAIを軸にアメリカ以外の国でも「世界で唯一無二」の企業が生まれはじめたことで、フェーズが変わりつつあるという見方もできるでしょう。

2000〜2010年の混沌期、2010〜2020年のGAFAM時代を経て、2020〜2030年はAIが主役となり、非米企業も大活躍する時代に突入しているのです。

では、どちらを選ぶべきか?

結論から言うと、「好きなほうを買うしかない」。これに尽きます。投資判断において、明確な正解はないのです。

「S&P500と全世界株式は今後どちらが増えるか」という、誰にもわからない未来を当てようと考えてはいけません。

大切なのは「設計」

S&P500か全世界株式か——この議論に時間を費やすよりも、はるかに重要なのは「あなたは何歳時点でいくら必要か」という設計です。

目標額と期限を明確にし、そのために必要なリターンや積立額を逆算する。この「設計」がしっかりしていれば、S&P500と全世界株式、どちらを選んでも長期的に成果を上げやすくなります。

投資先を選ぶ前に、まずは自分のゴールを明確にすること。それが最も大切なポイントといえるでしょう。

鳥海 翔
株式会社Challenger代表取締役
FP(ファイナンシャル・プランナー)/投資家