施工会社が用意している“テッパンの言い訳”

だが、施工会社もすぐには引き受けてはくれない。一番多いのは、「クラックの原因は近年の地震が原因です。保証は経年劣化に対する保証であり、自然災害は想定していません。また、保証は構造体に対するもので雑壁には適用されません」という言い回しである。

このような言い訳は、横浜の杭の長さが不足して傾いたマンションでも言われたようだ。

しかし、この程度で負けるわけにはいかない。次の手札として、「壁のクラックにより漏水の恐れがあり、現実的に室内までは漏水していないが、コンクリートの中に水が入っているのは明らかに漏水である」として、躯体の10年保証と防水の10年保証をうまく持ち出していこう。

ちなみに、クラックとみなす基準は、「構造耐力上主要な部分について幅0・3ミリ以上であれば施工不良の可能性あり(建設省告示1653号)」となっている。

また、「かぶり厚さ(※)」が足りなかったことで、経年によりクラックが入り鉄筋が現れているような箇所も同様だ。

(※)かぶり厚さとは:鉄筋コンクリート構造において、コンクリート表面から内部の鉄筋表面までの最短距離のこと。

本来のかぶり厚さ(30㎜)を満たさなかったことが原因である。10年以内にこの現象が出るかどうかは微妙だが、かぶりが不足していたのであればそれは施工不良(不法行為)なので、20年以内なら施工会社に責任を問える可能性がある。多少無理筋でも、交渉のカードには使えるだろう。

建山 晃
1級建築士