一級建築士で『[新装版]マンションの大規模修繕でダマされない方法』(彩図社)の著者、建山晃氏によると、大金が動くマンションの修繕工事をめぐっては、施工会社やコンサルタントのなかに“悪徳業者”や“詐欺師”が紛れ込むことも少なくないそうです。そのため、管理組合側は騙されないよう工事の要不要を見極め、責任の追及を適切に行う必要があります。そこで、マンションの修繕を無償で依頼できるケースと、業者が「保証対象外」と言ってきた際の交渉術をみていきましょう。
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マンションの修繕工事、実は「無償」で頼める場合もあるが…依頼した業者に「保証対象外です」と断られたときの交渉術【一級建築士が警告】
施工会社が用意している“テッパンの言い訳”
だが、施工会社もすぐには引き受けてはくれない。一番多いのは、「クラックの原因は近年の地震が原因です。保証は経年劣化に対する保証であり、自然災害は想定していません。また、保証は構造体に対するもので雑壁には適用されません」という言い回しである。
このような言い訳は、横浜の杭の長さが不足して傾いたマンションでも言われたようだ。
しかし、この程度で負けるわけにはいかない。次の手札として、「壁のクラックにより漏水の恐れがあり、現実的に室内までは漏水していないが、コンクリートの中に水が入っているのは明らかに漏水である」として、躯体の10年保証と防水の10年保証をうまく持ち出していこう。
ちなみに、クラックとみなす基準は、「構造耐力上主要な部分について幅0・3ミリ以上であれば施工不良の可能性あり(建設省告示1653号)」となっている。
また、「かぶり厚さ(※)」が足りなかったことで、経年によりクラックが入り鉄筋が現れているような箇所も同様だ。
(※)かぶり厚さとは:鉄筋コンクリート構造において、コンクリート表面から内部の鉄筋表面までの最短距離のこと。
本来のかぶり厚さ(30㎜)を満たさなかったことが原因である。10年以内にこの現象が出るかどうかは微妙だが、かぶりが不足していたのであればそれは施工不良(不法行為)なので、20年以内なら施工会社に責任を問える可能性がある。多少無理筋でも、交渉のカードには使えるだろう。
建山 晃
1級建築士