工種別の耐久年数と注意点

マンションの大規模修繕を巡って、悪徳業者や詐欺師が管理組合を騙すときの一番多い手口は、無用な工事をさせて工事費を上げ、業者からバックマージンを受け取るというものである。

そのような輩から騙されないためには、その工事が本当に必要なのか見極める必要がある。

まず前提として、各材料の耐久年数表示は、基本的にメーカーが一番短く、次に国交省で、実際はそれよりももっと長いのが現実である。

また、新しく工事を行ってから10年間は、新築マンションでも築20年マンションの防水工事でも「瑕疵担保責任」があり、また10年以上経っていても売主や設計事務所、施工会社の責任を認めた裁判所の判例もある。

工事会社独自でつけている保証もあるかもしれない。保証の範囲内で修繕可能なものに余計にお金を使うのは避けたいところだ。

エレベーターは30年経っても大丈夫

エレベーター設置後25年くらい経つと、メーカーがやってくる。

「部品の供給ができなくなる可能性がありますので、早期の機械の更新をご検討ください」

という知らせだ。メーカーは、製造から25年経つと機械の部品を作る義務が法的になくなるため、このような知らせを利用者に出すのである。それを聞いて管理組合がエレベーターの更新を検討しメーカーに見積もりをお願いすると、だいたいの会社から驚くような高い見積もりが出てくるのである。

すでにエレベーター工事を更新してしまった管理組合の人は残念ながら納得すると思うが、要は「談合」しているのではないかと疑ってしまうような額なのだ。新築でも同様のことがあるので私はもう諦めている。

東銀座に「奥野ビル」という築90年ほどの古いビルがある。古建築マニアには有名なビルなので、ネットで検索するとすぐに出てくるだろう。そこのエレベーターは20年ほど前に更新されたそうで、さすがに最後は故障ばかりしていたようだが、それでも50年近くは不足なく動いていたという。

また、日本最古と言われているエレベーターは、京都・四条大橋近くの東華菜館本店(1924年築)のビルにある。機械はアメリカ製で100年は経っているようだが、以前エレベーター整備をしていた人に聞いたところ、機械はきちんと法定点検すれば30年、40年は問題なく動くそうである。部品についても何とかするとのことだ。