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葬儀費用を巡る「認識のズレ」と「納得感」の正体
鎌倉新書『第1回 葬儀費用の実態と納得度調査(2025年)』によると、葬儀費用の最終支払い額は、当初の見積もり額から平均で19.5万円高くなっており、約3人に1人が費用増を経験しているという実態があります。
同調査で注目すべきは、費用の増額を経験しながらも、7割以上の人がその金額に「納得している」と回答している点です。納得の理由として上位に挙がったのは以下の3点でした。
●サービスや対応の質(38.3%)
●費用の十分な説明(20.9%)
●見積もり通りの明朗会計(17.5%)
一方で、納得していない人の理由(27.7%)は、まさに田中さんの妹・由美さんが抱いた「想定していた費用との差」や「説明不足」に集中しています。
田中さんは現場で担当者から「丁寧な説明」を受け、追加費用の必要性を理解したうえで、サービスの質に「値段以上の価値」を感じて承諾していました。しかし、そのプロセスを共有していない由美さんにとっては、手元の数字の変化だけが際立ち、結果として「聞いていない」という不満に直結してしまったのです。
葬儀の現場では、決定権を持つ一人に情報が集中しがちです。しかし最新の調査が示すように、納得感の鍵は「価格の透明性」と「プロセスへの関与」にあります。遠方にいる親族に対しても、単に決定事項を伝えるだけでなく、変更が生じた理由をその都度共有することが、式後の家族トラブルを回避するために重要です。
[参考資料]
株式会社鎌倉新書『第1回 葬儀費用の実態と納得度調査(2025年)』