人手不足を「事業にする」という発想…収益化への3つの道
ここで、視点を変えてみましょう。人手不足を「自社だけの悩み」として抱え続けるのではなく、その過程で培ったノウハウを“外に出す”という発想です。人材採用や定着に向き合い、試行錯誤してきた企業にとって、その過程で蓄積された知見はすでに価値ある資産になっています。
それらを整理し、言語化し、他社でも使える形にすれば、新たな事業として成立する余地が生まれます。
新しく成功事例を作る必要はありません。「なぜ自社は何とか持ちこたえているのか」を説明できれば、それで十分です。
具体的に人手不足を収益化する方法は、大きく分けて次の3つです。
1.採用代行(RPO)
採用代行(RPO:Recruitment Process Outsourcing)とは、求人作成から面接設計、入社後フォローまで、採用業務を一括で支援する仕組みです。
採用は業界ごとに求められる人物像や現場の事情が大きく異なるため、現場理解があるほど支援の質が高まります。そのため、業界や地域に特化すれば、「この業界の現場をわかっている」という信頼が、そのまま価値になります。
単発の採用支援ではなく、継続的に関わる仕組みを構築できる点も特徴的です。
2.外国人材活用支援
外国人材の受け入れ経験があるなら、外国人労働者の受け入れに必要な制度・教育・生活面の整備を包括的に支援する「外国人材活用支援」も、人手不足の経験を事業化する方法のひとつです。
制度対応に加え、日本語教育や生活支援、現場での受け入れ体制づくりまで含めた支援は、実際に受け入れ経験のある企業ほど説得力を持ちます。「現場でなにが起きやすいのか」を語れる点が、大きな強みになります。
3.高齢者就労支援
高齢者が無理なく働けるように業務内容や働き方を整える「高齢者就労支援」も、事業化の選択肢のひとつです。高齢者が従事する場合、業務をそのまま任せるのではなく、役割を見直す必要があります。
そのため、業務を切り分け、短時間・軽作業に再設計します。高齢者の就労意欲と企業の人手不足を同時に満たせる分野であり、今後さらに需要が高まることが見込まれます。

