人材会社やコンサルを活用しても、「人手不足」が解消しない理由
少子高齢化による労働人口の減少は、今後も確実に進んでいきます。この流れは一時的な景気変動とは異なり、構造的かつ不可逆的なものです。一方で、働き手が減っても企業数は急激には減りません。その結果、採用市場では常に「売り手優位」の状況が続き、中小企業ほど条件面や情報発信力で不利になりやすいといえます。
さらに厄介なのは、人材が定着しないことです。求人広告費を投じ、面接を重ね、ようやく採用した人材が、数ヵ月で辞めてしまうことも珍しくありません。
この繰り返しは、コスト面だけでなく、現場の士気や育成意欲を確実に削っていきます。
こうした課題に解決策を提案する採用コンサルティングや人材サービスは数多く存在します。戦略的な採用設計や評価制度の見直し、求人票の改善など、提案内容自体は論理的に整っていることが多いです。
それでも現場で成果が出ない理由は、理論と現場の距離にあります。特に建設や物流、介護、製造といった現場では、
・作業のキツさや危険性
・天候や季節による負荷の変動
・ベテランと新人の距離感
といった、言語化しにくい要素が定着に大きく影響するからです。これらは、現場の“なか”にいなければ実感しづらい要素です。
結果として、「(採用コンサルや人材サービスのいうことは)正論だが、現場では実情に合わず定着しない」施策が生まれてしまいます。
採用や定着がうまくいっている会社の特徴
一方で、同じように厳しい環境にありながら、採用や定着が比較的安定している企業が存在するのも事実です。そうした企業は、決して特別なことをしているわけではありません。採用や定着がうまくいっている会社には、次のような特徴があります。
・求人内容を、メリットだけでなく大変な面も含めて率直に伝えている
・面接で「スキル」だけでなく「定着性」を重視している
・入社後しばらくは、現場任せにせず声をかけている
こうした地味で手間のかかる工夫を、愚直に続けているのです。派手さはありませんが、結果として「辞めにくい現場」ができています。

