孫がかわいい――その気持ちが強すぎるあまり、気づけば子世帯から距離を置かれてしまうシニアは少なくありません。一方で、共働きで子育てに追われる家庭にとって、親の存在は心強い支えにもなり得ます。両者の分かれ道は、善意と執着のわずかな違い。本記事では、孫に過度に関わろうとする義母に悩む女性の事例をもとに、シニアが「疎まれる存在」ではなく「頼られるサポーター」になるために必要なマインドチェンジについて、CFPの松田聡子氏が解説します。
勘弁してよ…義理の母から贈られた「20万円の五月人形」が廊下を占領。過剰な孫溺愛に33歳嫁“ドン引き”も、3年後に一転「大感謝」に変わったワケ【CFPが解説】
祖父母に最強のサポーターになってもらい、子育てに参加してもらう
共働きの子育て世帯が親世代のサポートを受ける場合、シニア・子世代のどちらかに一方的な忍耐や負担があるような状況は避ける必要があります。
「援助しているから口も出す」というシニア側の態度は、子世代に最も嫌われる要因です。基本的には、子の家庭のルールを尊重しつつサポーターに徹することが、長期的な信頼関係を築くための道です。
一方で、子世代のマインドチェンジも必要です。責任感の強い人ほど「親に頼るべきでない」と考えがちですが、キャリアを潰すほうが家族にとっては大きな損失です。
育児のパートナーとして親世代を頼ることは、彼らの生きがいにもつながります。また、意識的に感謝の気持ちを表明するようにすると、家族の結束も強まるでしょう。
絶縁なんてしなくてよかった…義母の手助けに感謝
めぐみさんは、思い切って美代子さんへ助けを求めました。美代子さんは「困ったときはいつでも声をかけてちょうだい」と喜んでサポートを引き受けてくれました。
美代子さんは、萌ちゃんを保育園に預けられないときに自宅で見てくれたり、急な呼び出しのときには迎えに行ってくれたりするようになったのです。めぐみさんが萌ちゃんを病院に連れて行くときには、純太くんを預かってくれました。
そんな最強のバックアップを得ためぐみさんは、キャリアを断念することなく、無事に萌ちゃんの病弱な時期を乗り越えることができました。初孫が生まれた当初はテンションが上がりすぎていた美代子さんでしたが、本来は子育てのベテランでもあり、安心して子どもたちを託せる人だったのでしょう。
「純太が生まれたばかりのときには絶縁なんて考えたけれど、思いとどまってよかった」
めぐみさんは心の底から、そう思いました。そして、美代子さんにも心からの感謝を言葉にしました。
「お義母さんがいてくれなかったら、私は今頃仕事を辞めていたと思います。本当に、ありがとうございました」
松田聡子
CFP®