意地を張れば「1.7億円」を捨てることに? きれい事では済まない、女性の働き方と生涯所得の現実

「仕事を辞めるか、続けるか」というめぐみさんの悩みは、決して彼女個人だけの問題ではありません。多くの共働き世帯が直面するこの問題は、実は家族の生涯可処分所得を劇的に左右する、極めてシビアな経済的決定でもあります。

内閣府政策統括官(経済財政分析担当)の「女性の出産後の働き方による世帯の生涯可処分所得の変化」のデータによると、夫婦・子ども2人世帯において、29歳で第1子、32歳で第2子を出産後、正社員での就労を継続したケースと、第1子出産後に退職し、その後再就職しなかったケースでは、両世帯の生涯可処分所得に約1.7億円もの差が出るといいます。

この数字には、将来受け取る退職金や年金の額も含まれているため、2億円近い差が出る結果となりました。ほかにも、離職後に正社員として再就職するケースや、非正規として仕事を継続するケースなど、さまざまなキャリアパターンがあります。しかし、いずれにしても、正社員として就労を継続することの経済的優位性は変わりません。

マネジメント職に従事するめぐみさんの場合、離職による損失を回避できるかどうかは、家計にとって大きな経済的分水嶺となるのです。

では、この生涯可処分所得を守り抜くために何が必要なのでしょうか。共働きを維持できている世帯の多くに共通するのは、近隣に住む親(祖父母)からの物理的なサポートです。

物価高や教育費の高騰が進む昨今、共働き体制の維持は、生活のゆとりを確保するためではなく、家計の生存戦略となりつつあります。しかし、どれほど制度(看護休暇や時短勤務)が整っても、子どもの発熱や入院といった不測の事態に、職場が100%対応し続けるのは困難なのが現実です。

もし、手を貸してくれる親が近くにいれば、どれほどの助けになるかは言うまでもありません。よほど親子関係(嫁姑関係)が悪化していないかぎり、サポートしてもらうのが現実的ではないでしょうか。