内閣府「令和6年版高齢社会白書(全体版)」によると、60歳以降に住み替えの意向が「ある」または「状況次第で検討したい」と回答した人の割合は、全体で3割を超えていました。では、高齢期に住み替えを検討する場合、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。役職定年を迎えてから憧れのマイホームを購入した夫婦の実例をもとに考えてみましょう。
(※写真はイメージです/PIXTA)
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定年後にマイホームを持つことのメリット・デメリット
定年後にマイホームを持つメリット・デメリットについて、お金に焦点をあてて考えると、まずメリットは、家賃を払い続ける必要がなくなる(いずれ資産になる)ことでしょう。また、遺産が多い場合は相続税対策になることもあります。
反対にデメリットは、固定資産税の負担があること、定期的に修理・メンテナンス費の負担が生じることです。また、住宅ローンは年収に応じて審査が行われるため、定年後の限定的な収入ではそもそも審査に通らない可能性もあります。
ただ、メリット、デメリットはお金のことだけではありません。シニア世代の住み替えには「生活インフラが充実しているかどうか」という視点が必要不可欠です。DIYやガーデニングなどを楽しむことより、買い物の便利さや、医療・福祉への容易なアクセス、交通の便の良さなど、暮らしやすさを優先した住まい選びをおすすめします。
また、マイホームを資産として残したいのなら、価値の下がりにくい地域を選ぶことも忘れてはいけません。資産価値が低い不動産は、のちに売却に困った結果空き家化するなど、“負動産”となるリスクがあります。
物件の価格はもちろん、先の資産価値、頭金とローン金額、住環境、生活インフラ、さまざまなことを天秤にかけると、シニア世代の物件選びは現役世代以上に難しいです。だからこそ、持ち家にこだわりすぎることなく、冷静に・柔軟に判断しましょう。
山﨑 裕佳子
FP事務所MIRAI
代表