健康診断で「再検査」の通知…想定外の負担に唖然

わずか数ヵ月後、56歳を目前にしたある日、佐藤さんの元に健康診断で再検査の通知が届きます。結果は初期のがん。幸い早期発見でしたが、治療は長期化しました。

治療は消化器系のがんによる開腹手術で、標準治療(保険診療)でした。医療費の自己負担も高額療養費制度の範囲内に収まり、最終的には8万円ほど。治療費そのものは、想定外に高額だったわけではありません。

しかし、家計への影響はそれだけではありませんでした。

退院後も通院治療が続き、体調がすぐれない日は電車移動が難しく、タクシーを使うことが増えていきます。体力の低下から残業もできなくなり、収入は徐々に目減りしていきました。さらに、回復を少しでも早めたい一心で、親戚から勧められた健康機器を購入するなど、医療費以外の出費も重なります。

こうした支出と収入減が積み重なり、治療が一段落するまでの間に、佐藤さんは貯金から100万円ほどを取り崩すことになりました。

「いざという時は貯金を使えばいい」

そう思っていましたが、その“いざ”が現実になると、負担感は想像以上でした。

そこで初めて、佐藤さんは気づきます。

「もし、あのがん保険を解約していなければ、診断給付金100万円をもらえたのに……」

がんの治療をしながら、お金のことを考えなくてはいけない。これは精神的にも苦しいものでした。また、再加入したくても診断後では加入できる保険は限られ、保険料も高額。結果的に見直しが裏目に出てしまい、後悔することになったのです。