厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、2024年の離婚件数は約18万5,895件で、そのうち同居期間20年以上の夫婦による離婚は約4万件でした。離婚の理由は千差万別ですが、本気で熟年離婚したい場合、年齢に準じた注意点があるため事前準備が欠かせません。定年前に離婚を決意した夫婦の事例から、熟年離婚の注意点をみていきましょう。
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香澄さんがこのタイミングで離婚を切り出したワケ
香澄さんいわく、夫のこの言葉を聞いた瞬間「心のなかでなにかが壊れた」そうです。
以来、香澄さんの頭のなかは「離婚」の二文字に支配されていきました。完全に見限ったことで、晴喜さんの心ない言葉もスルーできるようになったといいます。
ただ、子どもに不自由な思いはさせたくなかったため、子どもたちが独り立ちするまで離婚しないと心に決めていました。そして現在、長女は昨年社会人となり、長男も今春大学を卒業します。
そのためこの日が「離婚宣言」の日になりました。
晴喜さんは今年60歳になり、定年を迎えます。この先、夫が家にいる時間が増えると思うと、香澄さんにはもう一刻の猶予もありません。
離婚件数は減少している一方「熟年離婚」は増えている
厚生労働省の調査によると、令和6年の離婚件数は18万5,895組でした。
また、婚姻期間別の離婚件数をみると、同居期間が5年未満では減少傾向である一方、5年以上は増加しています。
ちなみに、離婚理由の一端を垣間見られるのが裁判所の司法統計年報です。同報によると、家庭裁判所の扱った離婚事案で妻側の申し立て理由を多い順に並べると、次のようになります(主な理由を3個まであげる形で調査)。
・性格が合わない
・暴力をふるう
・精神的に虐待する
・生活費をわたさない
・異性関係
筆者も、離婚後の家計に関する相談を受けることが増えたように感じています。一方で、経済的な不安から離婚に踏み切れないという相談も少なくありません。
明確な離婚事由がない“一方的な離婚”は、成立する可能性が低い
ただ現実には、明確な離婚事由がない限り、離婚を成立させるのは非常に難しいです。
相手の不貞や暴力、長期間の別居期間、夫婦の義務不履行(生活費を渡さないなど)がない限り、相手が「離婚には応じない」と言ってしまえばそれまでとなります。
しかし、だからといって現状を変えられないわけではありません。たとえ離婚が成立しなくても、経済的な自立を果たすことで、別居などの選択肢が広がります。