年末年始は帰省の絶好のタイミングです。普段なかなか会えない実家の家族との再会を楽しみにしている人も多いでしょう。ただ、久々の帰省が楽しいだけのイベントで終わるとは限りません。山﨑裕佳子CFPが過去に受けた相談をもとに一部を改変し、成人した子と親の“避けては通れないイベント”の対策を解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
話がある…年末に帰省した39歳サラリーマン、実家で一人暮らしの68歳父が「認知症の初期段階」と知り絶句→父の〈まさかの対策〉に落ち込んだワケ【CFPの助言】
佐々木親子のその後
しっかり者の隆さんは、自身の認知症が進み判断能力が低下することに備えて、あらかじめ任意後見制度を利用することにしました。
本来であれば子どもが担う役割を第三者へ委ね、息子の一茂さんに迷惑をかけたくないとの配慮からの行動でした。
しかし、一茂さんは父のその気遣いに一抹の寂しさを感じています。成年後見人制度を利用するにしても事前に相談して欲しかった、不安に思っていることを話して欲しかったと、自分の無力さに落ち込んでいます。
とはいえ、認知症の初期段階と診断された父の様子は気がかりです。今後はできるだけ密に連絡をとって父の話し相手となりサポートしていきたいと考えているということでした。
親が認知症になる前にやっておきたいこと
親の認知症などへ備えるべきことは、医療や介護への意思表示、老後の住まい、親名義の財産管理など、本人の意志を確認しておくことです。
また、認知症の初期症状が疑われる場合には、早めに専門医を受診させるようにしましょう。
介護で大切なことは、本人の気持ちや考えを尊重することです。ただし認知機能が低下してからでは、本来の親の意向に添えないことも考えられます。直接会えないとしても、日ごろより密なコミュニケーションを心がけましょう。
山﨑 裕佳子
FP事務所MIRAI
代表