人生にはさまざまなライフイベントがあります。このイベントごとにライフステージを仕事→結婚(子育て)→老後という3つに分けるとすると、専業主婦(夫)は、老後が最も経済的な不安を抱きやすいステージではないでしょうか。結婚を機に退職し、配偶者の扶養でいる「専業主婦(夫)」は、「配偶者に養ってもらっている」という意識が大きく、老後の生活(老齢年金の受給)に不安を抱えている人が少なくありません。そんな専業主婦の「老後資金の備え方」について、ファイナンシャル・プランナーの三藤桂子さんが解説します。
みんなが「資産形成」をはじめたきっかけ「夫の稼ぎには満足しています。でも…」専業主婦の事例【FPが解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

資産形成は専業主婦でも可能

ひと口に「専業主婦」といっても、そのライフスタイルや考え方はさまざま。とはいえ、年代を問わず資産形成において大切なのは、配偶者とのコミュニケーション。配偶者がどのような資産形成をしているのかを話題にするなど、日ごろから情報共有し、歩調を合わせることが大切です。

 

収入がない、あるいは少ない専業主婦が資産形成を始めるなら、「長期・分散・積立」を基本とするNISA(少額投資非課税制度)から取り組んでみることをおすすめします。

 

NISAは投資によって得られる利益(売却益や配当金)に税金がかからない制度で、投資初心者でも手軽に始めやすいのが特徴です。

 

また、老後の資産形成を目的とするなら、iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用するのもいいでしょう。

 

さらに、生活用品の購入などでクレジットカードを利用する専業主婦のなかには、ポイントを上手に活用する「ポイ活」をする人も増えています。無理なくコツコツと続けられる制度を、お得に活用していくこともひとつの手です。

 

なお、配偶者の扶養に入れるのは、年金制度においては原則60歳までとなります。ただし、過去に保険料の未納期間があり、老齢基礎年金を満額受け取れない場合は、60歳以降に「国民年金の任意加入制度」を利用して年金額を増やすことも可能です。

 

あるいは、社会保険に加入できる働き方に切り替えることで、自身の将来の年金を増やすという選択肢もあります。

 

FPに相談後、AさんとBさんは次のように話しています。

 

Aさん「これまで長いあいだ、家計の管理を夫に任せきりにしていたことを反省しています。夫に万が一のことがあっても大変なので、これからもコミュニケーションをとりながら自分も勉強し、むりをしない範囲で一緒に資産形成をしてみようと思います」

 

Bさん「パートの仕事は今後も長く続けたいと考えているので、社会保険に加入する働き方を検討します。ポイ活の経験はあったものの、ポイントを使って少額から投資ができるとは知りませんでした。楽しみながらポイ活投資を始めてみようと思います」

 

法改正により、配偶者の扶養内で働く専業主婦の多くは社会保険に加入する働き方に変わってきています。世の中の変化をきっかけに自身の働き方や収入の仕組みを見直し、資産形成を始めるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

 

 

三藤 桂子

社会保険労務士法人エニシアFP

代表