人生にはさまざまなライフイベントがあります。このイベントごとにライフステージを仕事→結婚(子育て)→老後という3つに分けるとすると、専業主婦(夫)は、老後が最も経済的な不安を抱きやすいステージではないでしょうか。結婚を機に退職し、配偶者の扶養でいる「専業主婦(夫)」は、「配偶者に養ってもらっている」という意識が大きく、老後の生活(老齢年金の受給)に不安を抱えている人が少なくありません。そんな専業主婦の「老後資金の備え方」について、ファイナンシャル・プランナーの三藤桂子さんが解説します。
みんなが「資産形成」をはじめたきっかけ「夫の稼ぎには満足しています。でも…」専業主婦の事例【FPが解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

専業主婦の年金は、夫の収入にかかわらず「定額」

AさんとBさんの共通点は、夫に扶養されていることです。夫の扶養でいるメリットとしては、自身で保険料を納める必要がない点が挙げられます。

 

ただし、老後のことを考えると国民年金(老齢基礎年金)は定額であるため、仮に20歳から60歳までずっと扶養に入っていた場合、満額(480ヵ月)で約83万円です。ここに、夫の収入の多寡は関係ありません。

 

一方、夫の年金額は、現役時代の収入や厚生年金の加入期間によって大きく左右されます。とはいえ、Aさんの夫のように現役時代の収入が多かったとしても、年金額の算出に使われる「標準報酬月額」には上限があるため、現役時代と同じ収入を得られるわけではありません。そのため、夫が退職したあとは、生活費の見直しが必要になるでしょう。

 

Bさんの場合、思うように貯蓄ができなかったというのであれば、今後の働き方を見直してみるのもひとつの方法です。

 

近年は最低賃金の上昇に加え、パートであっても、勤務先の規模や勤務時間によっては社会保険への加入が義務づけられる方向に進んでいます。扶養内で働き続けるには限度があるため、将来の年金受給額を増やすという視点からも、社会保険に加入する働き方をおすすめしたいところです。

 

たとえ専業主婦であっても、「収入をすべて夫に頼っている」と考えるよりも、「夫婦で協力して家庭の収入を支えている」という視点を持つことが重要でしょう。また、家計管理をすべて夫任せにするのではなく、可能であれば夫婦で一緒に資産形成に取り組み、現状を把握してすることも大切です。