みなさんは投資信託を選ぶ際、どのポイントを重視しますか? これまでの運用実績や、期待リターン、購入手数料などなど……。どれも重要ですが、実は見落としがちな「重要ポイント」があります。投資信託を保有するうえで“最初に確認しておきたいポイント”とはなにか、投資信託の仕組みとあわせてみていきましょう。15年間の証券会社勤務を経て、現在はJ-FLEC(金融経済教育推進機構)の講師としても活動するCFPの倉橋孝博さんが解説します。
「運用実績」でも「期待リターン」でもない!?…投資信託を選ぶとき、最初に確認したい“たったひとつ”のポイント (※画像はイメージです/PIXTA)

はじめての投資信託は、「シンプルなものを末長く」が唯一解

 

さて、ここまで投資信託の仕組みとポイントを確認してきました。皆さんからは「損する可能性もあるし、手数料も高い。損していても手数料が引かれる……。やっぱり投資信託は買わないほうがいいんじゃないの?」という声が聞こえてきそうです。

 

しかし、そんなことはありません。投資信託は、上手に付き合えば資産形成のかけがえのない相棒になってくれるはずです。

 

では、どう投資信託を選び、どう付き合っていったらいいのか。その答えは、「シンプルに末長く」です。

 

特に、資産運用初心者は「オーソドックスでわかりやすいもの」を選んでください。この類いの投資信託はパッシブファンドと呼ばれ(インデックスファンドとも呼ばれます)、日経平均株価やNYダウのような、代表的な株価指数に連動するよう運用されています。シンプルなスタイルのため信託報酬が年0.5%以下のものが増えてきました。

 

このパッシブファンドに対して、より高いパフォーマンスを目指すものを「アクティブファンド」といいます。こちらは、徹底的に情報収集や市場調査を行い銘柄選定するため、信託報酬は年1.5%以上など高い傾向にあります。

 

もちろん、運用成績が素晴らしいアクティブファンドもありますが、まずはコストの低いパッシブファンドがおすすめです。

 

そしてもう1つのポイントが「長期投資」です。株や債券は常に動くものなので損失を被ることも多々あります。アメリカの大手企業の株価でも3年に1年は下落する時期があると思ってください。

 

しかし、20年以上の長期にわたって運用していれば、過去の実績ではありますが、おおよそ満足のいく結果になっています。投資信託も然りです。

 

暑い夏はもう少し続きますが、気温の上昇に負けないよう投資信託とクールに付き合い、コツコツと金融資産を増やしましょう。

 

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

 

 

倉橋 孝博

株式会社くらはしFP事務所

代表取締役