超高齢社会に突入し、社会問題となっている「老老介護」。親の介護への責任感から自分の生活を犠牲にしてしまっては、親亡き後の自分の生活が危ぶまれます。90歳の母と65歳の娘の事例をもとに、老々介護の問題点と解決の糸口をみていきましょう。山﨑裕佳子CFPが解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
もう、無理かも。「90歳母」を車いすに乗せ病院へ…年金月10万円「65歳娘」が待合室でふいに襲われた〈未来への絶望〉【CFPの助言】
高齢者が直面する深刻な「介護格差」問題
さらに、居住地によって「介護サービス」に深刻な格差が生じているようです。全国の65歳以上人口10万人当たりの介護従事者数や介護施設数は、地域により大きなバラツキがあります。
例として、特別養護老人ホームの稼働状況を見てみると、半数近くの市町村が基本的にすべての施設で満員であると回答している一方で、一部の市町村は「施設や時期によっては空きがある」と回答しており、介護が受けられる環境に格差があることがわかります。
また、介護従事者数にも地域差があり、人手不足により「受けたい介護を受けられない」という地域が存在しています。
「情報」や「人」とつながることが、解決の糸口に
介護に悩む人物が老老介護の末、悲しい事件を起こしてしまうケースも後を絶ちません。
最悪の事態を回避するためには、親や自分に介護が必要になったときにどのような選択肢があるのかを、あらかじめ調べておく、あるいは、いざというときの助けとなる行政の相談先を知っておくことが、親と自分両方の身を守ることにつながります。
山﨑 裕佳子
FP事務所MIRAI
代表
