50代は、子育てが一段落し、自分のために時間を使えるようになる大きな転機です。だからこそ、なんとなく続けてきた会うと疲れる人との付き合いなど、人間関係を見直す人も多いでしょう。「孤独になってしまうのでは?」という不安もあるかもしれません。しかし、本当に大切なのは、無理な関係を続けることではなく、自分のペースで新しい「縁」を育むこと。本記事では獅子にひれ氏の著書『定年が気になりはじめた50代おひとりさま女子たちのトリセツ』(ごきげんビジネス出版)より、おひとりさまが持つ「自由」を強みに変える、新しい人との繋がり方を考えます。
「もう、無理して会うのはやめた」50代おひとりさま、“年賀状じまい”に続き“気乗りしない集まり”も卒業…「残された時間」を優先した先に見えた〈意外な縁〉 (※写真はイメージです/PIXTA)

「年賀状じまい」は必要か?

突然ですが、あなたは毎年の年賀状を出していますか? 私は年賀状を書く習慣を続けていますが、昨今では「年賀状じまい」というコメントが増えたなと感じます。たしかに忙しい年末のなかで年賀状を用意するのは手間に思えることもあります。ふと、そんな年賀状を出さない選択が「人間関係の棚卸し」につながる面もあるのでは?と考えるようになりました。

 

「人間関係の棚卸し」と聞くと、なんだか大げさで少々難しそうに感じるかもしれません。でも実際には自分の心と向き合うシンプルな作業だとも思います。まずは穏やかな気持ちで、周囲の人たちのことを思い浮かべてみてください。家族、親しい友人、職場の仲間、趣味を通じて知り合った人たち……一人ひとりとの関係を振り返るなかで、自分の心に正直になる時間をもってみてください。この人といると安心できる、この人の前では本当の自分でいられる、この人とは互いに支え合える関係にある……そのような発見があるかもしれません。

 

「もう、無理して会うのはやめた」

一方で、長く付き合ってきた人であっても、時の流れとともに互いの価値観や生活スタイルが変わることもあります。以前は気が合っていたのに、なんとなく話が合わなくなった、会うたびに疲れを感じるようになった……そんな経験はありませんか? これは決して悪いことではなく、人として自然な成長の過程ではないかと私は考えています。なんとなく居心地の悪さを感じる人との関係を続けている場合、それに気づいたら無理をしない選択も大切です。人生の後半戦において、時間は限られた貴重なものですから。