「自助の国アメリカ」で不労所得を生む投資術とは

「Supreme」で働くデザイナーが見つけた、ニューヨーク流・“生きづらさ”の最適解
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私は突然解雇された経験があります。それをきっかけに、収入源を自分でコントロールすることの大切さに気づきました。自分の人生を他人にコントロールされないため、そして夢のノマドライフを送るためにも「経済的な基盤」が必要だと痛感したのです。

アメリカでは、自分の老後は自分で設計するのが一般的です。公的年金はありますが、日本のような「みんなで支える」仕組みではありません。だからこそ、株や不動産などで資産形成をすることが求められます。まさに「自助の国」といったところでしょうか。

私自身、さまざまな副業を経て目を向けたのが、不動産投資でした。私がアメリカで不動産投資を始めたのは、2015年のこと。最初に購入したのは、ニューヨーク・ブルックリン、プロスペクトパーク近くの物件。築100年ほどの広めのワンベッドルームのコープアパートでした。

コープアパートとは、建物を持っている管理組合の株式を買って、共同で運営していくタイプの物件です。通常の分譲マンションよりも規制は厳しく、オーナーが最低数年間住んでからでないと貸し出せないなどの制約もありますが、入居者の審査があるため、周囲の環境が保たれやすいという安心感があります。

購入価格は当時で36万ドル(約5220万円)。キッチンをモダンにリノベーションしたため追加で3万ドル(約450万円)かかりましたが、現在の評価額は50万ドル弱(約7250万円)まで上昇しています。支出は毎月のローンの支払いと管理費を合わせて1617ドル(約24万円)。

さらに修繕費や空室率を考慮して10%相当の260ドル(約4万円)を毎月積み立てています。対して賃貸収入は2600ドル(約38万円)、差し引きすると723ドル(約10万5千円)のプラスになります。つまり、この物件は毎月10万円強の収益を生んでいる計算です。

さらに2021年には、コロナ禍をきっかけに2軒目を購入しました。こちらは石造りの3階立ての「タウンハウス」で、購入価格は105万ドル(約1億5225万円)ほど。築115年のかなり古い物件なので、モダンな雰囲気にアップデートするために、内装・外装を含めて約4800万円をかけてリノベーションを行いました。

とはいえ、すべてを業者に任せたわけではありません。予算を抑えられる部分は工夫し、使える素材は再利用。自分でペンキを塗ったり、トリム(内装の装飾部材)を付け直したりと、できることは自分の手で仕上げていきました。

現在は200万ドル弱(約2億9000万円)まで評価額が上昇しています。現在のローン返済や光熱費などの支出は、月に約5200ドル(約75万円)。一方で、賃貸収入は最近の民泊規制の影響でやや下がっていますが、過去2年間の平均では月8000ドル(約115万円)ほど。

つまり単純計算で、毎月2800ドル(約40万円)の黒字です。しかも私は、この家にある3つの部屋のうちの一部屋に住んでいるため、「家賃ゼロ」で暮らしながらこの収入を得ていることになります。