「人に頼まず自分でやれば安く済む」。もちろん、それは事実ですし、悪いことではありません。ですが、その裏で消費されている「見えないコスト」を意識することも必要と語るのは、ニューヨーク在住23年目のファッション/テクニカルデザイナー・あっち氏。本稿ではあっち氏の著書『ニューヨークとファッションの世界で学んだ 「ありのままを好きになる」自信の磨き方』(KADOKAWA)より一部抜粋・再編集し、生活にかかるコストの考え方をご紹介します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
「丁寧な家事は愛情の証」「自分でやれば安く済む」間違いではないが…その裏に潜む「見えざるコスト」の存在
「家事を丁寧にする=愛情の証」という価値観も根強いが…
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「家事を丁寧にする=愛情の証」という価値観は、日本ではいまだ根強いように感じます。お弁当を手作りしたり、ベランダで布団を干したり。家族が気持ちよく生活を送るために、日々家事をこなしている人たちには、尊敬の念を抱きます。
けれど、もしも家事に追われて、心や時間の余裕がなくなってしまうなら、ときに「プロにお任せ」をするのも良いアイデアかもしれません。
私とパートナーは共働き。平日はあまり家にいないので、家事の一部はプロに任せています。たとえば、洗濯は「ウォッシュ&フォールド」と呼ばれる代行サービスを使うのも一例です。
米国では部屋に洗濯機を設置できないことも多く、洗濯が不便です。ニューヨークでは景観保護のため、外に洗濯物を干すことが禁止されている地域もあり、こうしたサービスがとてもポピュラーです。洗濯機を回して干す手間も、スペースの確保も不要で、時間も労力も大幅に節約できます。
食洗機も日本以上に米国では一般的です。手で洗うよりも水の使用量が少なくて済むため、節水の面でも合理的です。また、冷凍食品もうまく活用しています。料理を無理に手作りしようとしてイライラするくらいなら、お互いが気持ちよく過ごせる方法を選ぶ方が、結果的にハッピーな暮らしにつながると考えています。
こうした意識の変化のきっかけになったのは、元恋人のRさんの影響でした。Rさんはイギリス人で、IT系企業の経営者。ひとりで4階建ての家に住み、ハイスタンダードな暮らしをしていました。そんなRさんから大きな影響を受けたのが、「必要に応じてプロに任せる」という考え方でした。