「ルールに縛られて息苦しい…そんなネガティブな印象も持たれるが、日本は世界的に見ても凄まじく恵まれた国」。そう語るのは、30歳目前でサラリーマン生活に終止符を打ち、現在は世界を旅しながら2児を育てる森翔吾氏。本記事では、森氏の著書『すべては「旅」からはじまった 世界を回って辿り着いた豊かなローコストライフ』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編。日本に生まれた幸運と理想の生活の実現について見ていきましょう。
「息苦しい?いや、日本は凄まじく恵まれた国だ」…世界を旅する2児の父が語る〈理想の生活〉を実現する第一歩
自分に合った生活を探す旅
僕は、ビジネス拡大路線ではなく「自分探しの旅」を選び、一つの土地に1カ月ほどステイしながら、どんな国が自分に合っているのか、楽しみながら探してきた。「ニューヨークに住むには、ドバイに住むには、いくら稼げばいいのか? 自分にできるだろうか?」とシミュレーションをしてきた。
僕には、ドバイで最高級のタワーマンションに住み、ポルシェに乗っている友人がいる。そんなセレブな生活をするには、最低でも年収3000万円が必要だ。もちろん、一時的ではなく継続的に。自分にできるだろうか?
シミュレーションしてみたが、100%無理。しかも、そのセレブな生活が自分に合っているかというと、100%不釣り合いだ。
サラリーマンを辞めて起業セミナーに通い始めた当初は、セミナーで聞いたことを鵜呑みにして、僕も「年収1億円を目指すぞ!」と無謀なことを言っていた。でもそれは所詮、絵に描いた餅なのだ。世界に出て実際に暮らしてみれば、自分にはどんな仕事や生活が合っているのかわかる。
バリバリ稼ぐのは性に合っていないとわかったうえで、僕が辿り着いたのは……
(当時のレートで5万ドルを想定)
●税金などを差し引いて、500万円前後の手取り。
●年間100万円程度で暮らせる、物価が安い場所に住む。
●日頃は節約生活をしつつ、趣味の「旅」用に年間100万円は確保。
●余った300万円を貯蓄し、投資に回して資産を築く。
こんなライフスタイルだ。起業するより、サラリーマンで出世したほうがいいという人もいると思う。物価が高くても大都市のタワマンに住み、高級車に乗っていたほうが、モチベーションが上がり仕事がはかどるという人もいると思う。
でも、僕のように、「あまりお金に執着心がなくスモールビジネスでいい、ゆとりをもって家族と楽しく暮らしたい」と考える人もいるのではないだろうか。
あなたの理想の生活とは、どんなスタイルだろうか? 収入は〇〇万円あって、どんな場所で、どんな広さの、どんな家に住んで、家族構成は〇〇で、どんな趣味を持って、年に〇回旅行をして……。
イメージしてほしい。そして理想を書き留めてほしい。理想の生活を実現することは、具体的な言葉にすることから始まるのだから。
森 翔吾