考察のための「手がかり」を見つけよう!医学部生物を攻略するための4ステップ【メディカルラボが解説】

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考察のための「手がかり」を見つけよう!医学部生物を攻略するための4ステップ【メディカルラボが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

医学部入試の生物では、知識の量だけでなく「どれだけ深く理解し、使いこなせるか」が問われます。膨大な範囲をただ暗記するだけでは対応できず、知識を組み合わせて考察したり、実験結果をもとに論理的に説明したりする力が不可欠です。特に論述や実験考察など、思考力と表現力を同時に試す問題こそが合否を左右します。医系専門予備校メディカルラボのカリスマ講師・可児良友氏の著書『2026年度用「医学部受験」を決めたらまず読む本』(時事通信社)から、生物の応用力を段階的に高めるための具体的なステップを紹介します。

医学部入試の生物で求められる力は多岐にわたります。どれ1つでも欠けることのないように、常に意識しながら学習することが重要です。

Step1 基礎的な知識を詳細に深める

他の学問と比べても、生物学は急速に発展しつつある学問分野であり、10年前なら大学で学んでいた内容、あるいは数年前に発見された内容が高校の教科書に載っているという例がいくらでも見られます。現に『スクエア最新図説生物』(第一学習社)という資料集は毎年のように改訂されています。

 

発展的な内容をより詳細な部分まで学ぶには教科書だけでは足りないため、資料集や『大森徹の最強講義117講』(文英堂)、『生物合格77講』(東進ブックス)などの参考書を用いて、周辺知識を強化していきましょう。また、「代謝」や「生物の環境応答」の分野など、教科書によって記述の詳しさに大きく差がある分野がいくつか存在します。

 

そのような分野については、自分が使用している教科書には載っていないような内容でも入試で出題されることがあるため、前述の資料集や参考書を使って強化する必要があります。

Step 2 文章や図で表現する力をつける

論述式の問題を出題する医学部入試においては、基本的な生命現象に関する知識が問われるだけでなく、実験における個々の操作を行う理由や、実験結果から導き出された結論についての根拠などを、指定の文字数以内の文章で論述することなどが求められます。

 

また、例えば「細胞内での小胞輸送のしくみを図示せよ」、「カエルの神経胚後期の縦断面と横断面を図示せよ」などのように解答として描図を求められることもあります。教科書傍用問題集である『セミナー生物基礎+生物』(第一学習社)や『リードα生物基礎+生物』(数研出版)などにも、発展問題として数多くの論述問題が載っています。基礎的な知識を詳細なものへと深める学習をしながら、これらの発展問題にも取り組み、「表現力」を身につけていきましょう。

 

その際、知識不足で書けなかった知識論述の問題はその都度チェックし、教科書や参考書に戻って知識を確認してください。そのうえで、自分の言葉で表現できるようにしていきましょう。

 

さらに出題に合わせて、

①「答案に表記すべき内容を整理する」
②「論理的に構成を組み立てる」

という意識を持って練習してください。自分なりの表現で論述できたものについても、模範解答の表現との違いが気になる場合には、必ず生物の先生に質問し、個別に確認してもらいましょう。

 

メディカルラボでは入試において差のつきやすい論述問題で確実に得点するために、1対1の完全マンツーマン授業を通して、あいまいな表現や不確かな記述をなくしていく指導をしています。医学部合格を勝ち取るためには絶対に妥協することなく、論述問題に対する表現力を高めていってください。

Step 3 実験考察問題を解く練習をする

実験考察問題と言っても、まったく0から新しい内容を考察するというものではありません。皆さんが既に学習した内容と結びつけて考えられるかどうかを確認する問題なのです。したがって、初見の実験に見えるものを、リード文や実験方法、実験結果に隠されている「手がかり(ヒント)」を基に、よく知っている実験や生命現象、典型問題の解き方と結びつける練習を繰り返すことで、確実に解けるようになります。

 

実際には既習の内容に結びつく「手がかり(ヒント)」がいくつも書かれています。それをリード文や実験の手順、実験結果などから探していくのですが、その時、必ず「メモ」を取るようにしてください。「メモ」を取らずに問題文を読み、大事なポイントをいくつも記憶しつつ、さらにそれを組み合わせたり、比較したりしながら思考するのはとても大変です。「メモ」を取るのは、思考や考察をスムーズに行うためですし、自分が取った「メモ」を見ることで、既習の内容に結びつくひらめきが起こることも多いのです。

 

出所:可児良友著『2026年度用「医学部受験」を決めたらまず読む本』(時事通信社)
出所:可児良友著『2026年度用「医学部受験」を決めたらまず読む本』(時事通信社)

 

ここで、入試問題のどこに考察の「手がかり」が準備されていることが多いのか、いくつかポイントを挙げておきましょう。

出所:可児良友著『2026年度用「医学部受験」を決めたらまず読む本』(時事通信社)
出所:可児良友著『2026年度用「医学部受験」を決めたらまず読む本』(時事通信社)

 

このようにして集めた「手がかり」から、基礎固めで身につけた知識や典型問題の解法などのうち、何と結びつけて考えれば良いのか、という仮説(方針)を立てて問題を解いていきます。また、「手がかり」を基に、出題者の意図について考えることも大切です。複雑な考え方に基づく計算問題も同様に「手がかり」を基に仮説を立てて計算の方針を決めて立式していきます。

 

仮説に基づいて問題を解いたら、解答・解説を見ながら、自分が立てた仮説(方針)が正しかったのか、「手がかり」となるポイントを見落としてなかったのかなど、一つひとつ丁寧に検証しましょう。こうした経験を積み重ねることで、「手がかり」を見つけるコツが身につき、早く正しい仮説(方針)を立てられるようになります。

 

このような練習を、入試実践レベルの問題集や過去問を用いて行います。慣れないうちは「何となく」解いたほうが速いように感じるかもしれませんが、入試で確実に点数に結びつけるための思考力・応用力を身につけるためには、上記を意識して丁寧に考えることが大切です。このやり方に慣れてくれば、速く・正確に実験考察問題を解けるようになるので、苦手な人も粘り強くがんばりましょう。

 

実験考察問題は配点が高く、合否に大きな影響を与える問題ですから、自分一人でこういった練習に取り組むのが難しいのであれば、メディカルラボのようなマンツーマン授業で生物の先生に指導を受けると良いでしょう。「手がかり」の「メモ」の取り方や、それらを活用して知っている内容にどう結びつけて仮説(方針)を立てるのかといった、思考の過程を直接指導してもらえれば、実験考察問題で他の受験生に差をつけられるようになるはずです。

 

思考力・応用力を身につけるための問題集には、受験大学のレベルに合わせて『理系標準問題集』(駿台文庫)や『生物の良問問題集』(旺文社)、『生物基礎問題精講』(旺文社)、『実戦生物重要問題集』(数研出版)などがあります。さらに上のレベルを目指している人であれば『生物標準問題精講』(旺文社)、『生物思考力問題精講』(旺文社)、『医学部の生物 医学部入試問題集』(旺文社)、『大森徹の最強問題集159問 生物』(文英堂)、『生物記述・論述問題の完全対策』(駿台文庫)などに取り組みます。これらの問題集は記述量が多く、表現力を鍛える練習にもなります。

 

また、入試レベルの考察問題やグラフの読み取り問題、計算問題も多く含まれているので、思考力・応用力を身につけるのに役立ちます。不安な問題は3回以上繰り返し取り組み、実験考察問題での「手がかり」の見つけ方、仮説(方針)の立て方や、複雑な計算問題での立式の方法などを一つひとつ確実に身につけていきましょう。

Step 4 過去問演習に取り組む

ここまで述べた学習で、医学部入試の生物で合格点を取るための土台はできます。こういった学習を進めつつ、定期的に過去問を使って志望大学の合格点と自分のギャップを確認しながら、確実に合格点を取る力を仕上げていきます。

 

過去問に取り組む目的の一つは、大学ごとの出題傾向(問題の難度、問題の分量、頻出分野、出題形式など)を把握することです。これらを確認し、日々の応用力を伸ばすための学習に活かしていきます。

 

また、目的の二つ目は、解答順序や時間配分など、得点力を伸ばすための戦略を瞬時に考える訓練に活かすことです。どの大学の入試問題も満点を取る必要はなく、確実に合格ラインを突破することが大切です。本番と同様に時間を計って過去問演習に取り組んだ後、必ず①自分の課題点の把握、②出題傾向の分析、③得点力を伸ばすための戦略(時間配分など)、を振り返って整理しましょう。これが入試本番に得点力の差となって表れてきます。

 

出所:可児良友著『2026年度用「医学部受験」を決めたらまず読む本』(時事通信社)
出所:可児良友著『2026年度用「医学部受験」を決めたらまず読む本』(時事通信社)

 

可児 良友

医系専門予備校メディカルラボ 本部教務統括

 

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