「自分はまだ年寄りじゃない」…そう思っていても老いは確実にやってくる。シニア世代の勢古浩爾氏(執筆当時77歳)が自らの経験を基に語る、現代の老人に対する考察とは? 著書『おれは老人? 平成・令和の“新じいさん”出現!』(清流出版)の一部を抜粋・再編集してご紹介しよう。
ペットボトルの蓋が開けられない
脳梗塞再発防止のため、医者から水を1日に最低、1.5リットル飲むようにいわれている。この6年間、ほぼ忠実に守りつづけている。そんなに厳密ではないが、500ミリリットルのペットボトル3本だ。
その蓋を開けるのがきついのである。タモリも「ブラタモリ」で、あれきついよね、開かないんだよ、と嘆いていた(NHKよ、「鶴瓶の家族に乾杯」をつづけるくらいなら、「ブラタモリ」のレギュラー放送を再開しろよ。タモリ本人が嫌がっているのならしかたがないが)
これは指先の力がなくなっているのか。しかし逆手にもち替えると開くのである。おそらく力の入り具合がちがうのだろう。
毎日自転車に乗っていると、近所のオバサンに、若いねえ、といわれる。しかしわたしのペースで漕いでると、最近、子どもやおばさんにすいすい抜かされるのである。あれ? と思う。このマイペースはそんなに遅いのか。
そういえば5段や6段ギアで走るのがきつくなったな、と思っていると、タイヤの空気が抜けていることに気付いた。どうりで、ペダルが重いわけだ。こんなことにも、勘が鈍っているのである。