不調はあの日から始まった

早いもので2018年10月に脳梗塞になってから、もう6年が過ぎた。数えてみれば、71歳のときだ。さいわい、ほとんど大きな後遺症はなかった。

しかし、現在、体に関する小さな不調がいくつかある。そのすべてが脳梗塞の後遺症だとは思っていない。たとえば、まっすぐ歩けずたまにちょっと蛇行する。体のバランスが悪く、すぐ左右どちらかに傾く(要するに片足立ちがだめ)。喉になにかが引っかかる。などなどである。

その他、全体的に体のベースが弱くなった気がする。むろん、筋肉の衰えによる体幹のぐらつきということがあるだろう。平衡感覚の失調があるのかもしれない。だから、ゆで太郎(ソバ屋のチェーン店)のように、丼を乗せたトレイをもって席にまで歩く店が苦手だ(あそこはまた丼が滑りやすいのだ)。 

それに、もう全力疾走ができない。腰を落として、歩幅の狭い、じいさん走りしかできない。階段を降りるときも、念のために手すりをつかむ。バランスを崩して、転がり落ちることだけは避けたい。それらのすべてを含めて、わたしの体調不調元年は2018年だと思っている。

いずれにせよ、体だけは頑丈なのが自慢だったが、それ以降すっかり自信がなくなった。だいたいまっすぐ歩けないなど、だめでしょ。普通の人には、まっすぐ歩けないことなど、想像もつかないと思う。わたしもこんな状態が人間にあるとは、夢にも思わなかったのである。