現役時代に高所得だった人が、引退後も生活水準を落とせずに苦労するケースは少なくありません。一方、そんな状況でも“第二の人生”を楽しむ人もいます。老後に必要な資金の準備とセカンドキャリアの考え方について、元銀行員の事例をもとにみていきましょう。牧野寿和CFPが解説します。※個人の特定を避けるため、登場人物の情報等は一部変更しています。
(※写真はイメージです/PIXTA)
し、支店長!?…銀行で支店長を務めた64歳男性、ガソリンスタンドに再就職→汗だくで洗車する姿に元部下はあ然も、本人は「悪くない」と満足気のワケ【CFPの助言】
余計なプライドは老後の敵
現役時代に厚生年金や国民年金の保険料を納付すれば、65歳以降は規定の年金額を受給できます。その見込額は、日本年金機構の「ねんきん定期便」などで事前の把握が可能です。
ただ、実際のところ年金だけで老後の生活をまかなうことは難しいでしょう。そのため、不足分は現役時代のうちから資産運用などで確保する、また健康であれば年金を受給しながら働いて収入を得るなど支出を補うだけの資産・収入を確保する必要があります。
一般的に、定年後は現役時代のようにどんどん収入を増やしていくことが困難です。だからこそ、現役時代に、老後生活の資金計画を立て実行しておきたいところ。
Aさんは55歳の定年後、早々に貯蓄を切り崩し始めましたが、Bさんの説得やAさん自身の気づきもあり、なんとか軌道修正できました。
Aさんのような「自分に適したセカンドキャリア」を見つけて働けるケースは幸運でしょう。元部下に「悪くない」と、胸を張って言えることが物語っています。
充実した老後を送るためには、早期のライフプラン設計をおすすめします。
牧野 寿和
牧野FP事務所合同会社
代表社員