避暑地や温泉地、海沿いなど抜群のロケーションに建てられた「リゾートマンション(リゾマン)」は、中古であれば格安の物件も多く、セカンドハウスや投資先として候補にあがります。ただし、安易に購入した結果「こんなはずではなかった」と後悔する人も少なくありません。リゾマンの魅力と必ず認識しておきたいリスクについて、60代夫婦の事例をもとにみていきましょう。辻本剛士CFPが解説します。
(※写真はイメージです/PIXTA)
定年退職金で「熱海のリゾマン」を買いました…貯金残高5,000万円・神奈川県在住60代夫婦の“正直な感想”【CFPの助言】
売却の難しさを痛感…安藤夫妻の「その後」
安藤夫妻が不動産業者に売却を依頼して1年半が経過したころ、ようやく購入希望者が現れました。
しかし、その間に支払った管理費や修繕積立金などの維持費は総額で100万円近くに達し、当初の購入費用と同額ほどの出費となってしまいました。
思い返せば、この物件を勧めてきたBさんも、売却に苦労していたために安藤さんに声をかけたのかもしれません。安藤さん自身もリゾマンのデメリットについて事前に理解していたつもりでしたが、実際に売却活動を経験してみると、想像以上に大変であることを思い知らされました。
「使わなくなったら売ればいい」と単純に考えていたものの、現実には買い手がなかなか見つからず、その間も維持費がかかり続けるという厳しい現実に直面したのです。
最終的に物件を手放すことはできたものの、「もう2度とリゾマンには手を出さない」と、“卒業”を誓った安藤さんなのでした。
辻本 剛士
神戸・辻本FP合同会社
代表/CFP