全国軽自動車協会連合によると、令和7年(2025年)3月末時点における日本の自動車保有台数は、軽自動車が全体の40.6%を占めているそうです。そのため、メーカー各社も軽自動車の開発・販売には特に力を入れています。では、そんな軽自動車のなかでも「特にオススメの車種」はどのメーカーのどのモデルなのでしょうか。月に1回ペースでクルマを購入し、現在20台以上のクルマを所有しているワンソクTube氏が、著書『損しない「クルマの買い方」大全』(KADOKAWA)で特にオススメの車種5台を紹介しています。みていきましょう。※本記事の情報はすべて書籍執筆(2025年2月)時点の情報です。フルモデルチェンジ等車種ごとの最新情報は各種メーカーのWebサイト等をご確認ください。
日本の自動車市場の4割を占める「軽自動車」…各社がしのぎを削る「激戦区」で特にオススメの車種5選【月1ペースでクルマを購入するYouTuberが解説】
“骨太な乗り心地”が魅力!「三菱デリカミニ」
私は軽スーパーハイトワゴンを3台同時に所有していましたが、その中で一番気に入っていたのがデリカミニでした。
eKクロススペースのフェイスを変えたマイナーチェンジモデルとしてデビューしたデリカミニでしたが、「デリ丸」という犬のキャラクターCMのおかげか、はたまたデリカというビッグネームのおかげか、三菱の軽自動車としては大ヒットとなりました。
内装も装備も、ほぼeKクロススペースのまんまですが、顔と名前を変えただけでこれほどまでに売上に変化が起きるとは誰も予想していなかったのではないでしょうか。逆を言えば、見せ方がどれほど重要かということですね。
そんなデリカミニですが、見た目だけのクルマではなく、中身もしっかり伴っています。
元のeKクロススペースの頃から、日産のルークスとプラットフォームや装備を共有化している兄弟車なので悪いわけはないのですが、デリカミニではさらに4WD性能や悪路走破性を進化させ、軽自動車としては珍しいグリップコントロール※1やヒルディセントコントロール※2まで装備。
※1 グリップコントロール:雪道やぬかるんだ道など、滑りやすい路面で発進・加速をサポートしてくれる機能。
※2 ヒルディセントコントロール:エンジンブレーキだけでは十分減速できない急な下り坂などを下るとき、一定の低車速を保ち、走行を補助してくれる機能。
さらに4WDモデルでは大径専用タイヤや専用開発ショックアブソーバー※3まで採用されています。加速や燃費はライバルより劣るものの、骨太な乗り味が魅力です。
※3 ショックアブソーバー:サスペンションの部品の1つで、路面を走るときの凸凹からくる揺れをできるだけ抑え、車体を安定させる役割を持つ。
運転支援や安全装備もルークス譲りで優れており、全車速対応のアダプティブクルーズコントロール※4やレーンキープアシスト、360度カメラ、デジタルルームミラーなども完備するなど、ライバルをリードしています。
※4 アダプティブクルーズコントロール:あらかじめ設定した速度で走行、先行車が近づいてきたら自動で加減速し、適切な車間距離をとりながら追従走行してくれる機能。
暑さ寒さに弱い軽自動車の後席用にサーキュレーター、前席シートヒーターはもちろん、ステアリングヒーターも採用するなど、N-BOX以上に温冷装備が充実しています。
オススメグレードはターボモデルの上位グレード「T Premium」の4WDです。私もそれを買っていました。デリカという名前を冠するならやっぱり4WDがオススメですね。
また、「Premium」と名の付くグレード以外では、電動パーキングブレーキ※5やオートブレーキホールド※6、アダプティブクルーズコントロールも付きませんのでご注意ください。
※5 電動パーキングブレーキ:サイドブレーキや足踏み式パーキングブレーキだったものを電動化した装備。
※6 オートブレーキホールド:ブレーキペダルから足を離しても停止状態を維持する機能。これにより、渋滞時や信号待ちなどでブレーキペダルを踏み続ける必要がなくなる。