定年時の貯金は7,000万円…元公務員の“勝ち組”夫婦

66歳の夫Aさんと同い年の妻Bさんは、都内の戸建住宅に住む元公務員の夫婦です。昨年の年度末に2人とも定年退職して、1年余りが経ちました。

現在の年金収入は夫婦で月34万円と、生活費は年金で賄えています。また貯蓄は、夫婦の退職金を含めて7,000万円。自宅の住宅ローンは完済しています。

筆者は、夫婦が退職する前に、夫婦が決めた退職金を含めた貯蓄の使い方や、家計支出の改善などの相談を受け、夫婦と一緒に考えました。

その結果、貯蓄はほぼ夫婦の希望通りに、自宅内に手すりの設置や段差の解消、風呂、トイレ、洗面所などのバリアフリー化リフォームを行ったほか、今後、介護や看護が必要になった時の費用をはじめ、車の買い替え、国内外の旅行、ひとり息子の住宅購入資金の援助などの費用、それに想定外の支出ための予備費と、しっかりと使い道を決めていました。

また、家計の支出も、現在加入中の保険の保障内容やサブスクなど定番の見直しを実施。これにより毎月の支出額の削減を図るなど、定年後の家計の準備は完璧です。

義娘とは“割り切った”お付き合い

夫婦には、都内の商事会社に勤めるひとり息子のCさん(36歳)がいます。Cさんはある銀行にフルタイムで勤める妻のDさんと7歳の子どもと、実家から車で約1時間の賃貸マンションで暮らしています。

A夫婦にとって義娘のDさんは、結婚以来夫婦にドライな対応で、実家に来るのはCさんと孫だけでした。

「まあ、最近の親戚づきあいなんてそんなもんか、大好きな孫と息子に会えればそれでいい」

義娘との割り切った関係性についても納得していたA夫婦。しかし、あるタイミングきっかけに、A夫婦は義娘との関係を悩むようになります。