株式会社野村総合研究所によると、国内全世帯のうち純金融資産1億円以上5億円未満の「富裕層」は2.75%、純金融資産5億円以上を指す「超富裕層」にいたってはわずか0.21%とされています。ただ、そんな超富裕層は、一見するととても“お金持ち”には見えないケースも少なくないようです。資産5億円超えの超富裕層が“ボロボロの軽ワゴン”に乗るまさかの理由について、事例をもとにみていきましょう。辻本剛士CFPが解説します。※個人の特定を避けるため、登場人物の情報は一部変更しています。
いったいなぜ…都内一等地の豪邸に停まった“ボロボロの軽ワゴン”。資産5億円超、日本の上位0.2%「超富裕層」の63歳男性が「30年前の軽自動車」に乗るまさかの理由【CFPの助言】
谷本さんが軽ワゴンに乗り続けるもうひとつの理由
また、高級車が持つ「ステータス性」に価値を感じていないことも、谷本さんが軽ワゴンに乗り続ける理由のひとつです。
「でもね、自分のような『倹約家』の富裕層も意外に多いんですよ。私なんかよりよっぽどお金を持っている投資家の友人も、日用品は100円ショップで済ませているし、服はユニクロなどのシンプルなものしか見たことありません。別の知り合いも、腕時計はロレックスやパテック・フィリップなどでなく、実用性重視のカシオを選んでいます」
見栄ではなく、自分にとって本当に必要なものにだけお金を使うのが彼らの共通点のようです。しかし、使えるお金がたくさんあるはずの富裕層に、いったいなぜ倹約家が多いのでしょうか。
富裕層が共通して守っている「3つ」の基本ルール
富裕層の定義は、一般的に純金融資産が1億円以上5億円未満の人を指します。さらに、5億円以上の資産を保有している場合は「超富裕層」に分類されます。
こうした富裕層のなかには、短期間で資産を築いた人もいますが、多くの場合は長い年月をかけて資産を増やし、地道に資産を増やしています。
そうした富裕層が共通して守っているのは、次の3つの基本ルールです。
・支出をコントロールする
・収入を伸ばす
・資産運用する
この3つのルールは一見シンプルに見えますが、継続して実行できる人は多くありません。富裕層の多くは、収入に対してはるかに低い支出で生活しており、どれだけビジネスで多く稼いでも、使い切ってしまえば資産は築けないという原則を腹の底から理解しています。
勤勉に働き、無駄遣いを避け、残った資金を積極的に運用していくマインドが、富裕層への道を切り開く重要な要素のようです。
谷本さんもこの考えを徹底した結果、事業も安定し、経済的な自立を達成できました。無駄な支出を避け、個人のお金は株式や投資信託といった資産運用に充ててきたそうです。軽ワゴン車を大切に乗り続けるのは、支出の優先順位を明確にしてきた証でもあります。
