相談の結果…Aさん“らしい”決断

サービス付き高齢者向け住宅を知る

国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅について-高齢者の住まいについて-」によると、 サービス付き高齢者向け住宅では、施設内をバリアフリー化して、安否確認と生活相談サービスが義務づけられています。毎月の費用は、施設によって異なりますが、家賃、共益費、サービス費(生活相談・見守り)を合計して、11万円程度です。

ほかに食事の提供などのサービスを受けると、その分の費用が必要になります。また入居中に介護の要支援要介護の認定を受けると、外部事業者と契約して介護サービスを受け、その分の費用も別途必要です。

入居するには賃貸住宅と同様、賃貸借契約を交わし、敷金など(施設ごと名目や金額も違う)の初期費用も必要です。

入居者は6割が85歳以上、自立・要支援が2割、要介護1~2が4割、要介護3以上が4割弱。また、生活相談サービスはすべての住宅で、食事提供サービスは9割強、入浴等の介護サービスは5割の住宅で提供されています。

終の棲家を決める…売却前の“ラストラン”

Aさんは、終の棲家をどこにするかを含め、今後の過ごし方は、フェラーリでまだ訪れていないところへのラストランによって決めるそうです。Aさんは

「普通では経験できない、フェラーリと密度の濃い5年間を過ごすことができました。私は幸せです」

と言い切ります。

「今後のことが決定したら、また相談に乗ってください」

と言って、Aさんには心地良いエンジン音とともに帰って行きました。

Aさんがフェラーリを所有していた期間、車の維持費分の貯金は減りました。とはいえ、購入価格とほぼ同額で売却できれば、フェラーリという価値ある資産に投資したことで、憧れの車に乗れて、かつAさんは資産を減らすことなく維持できたことになります。

憧れを叶えることで精神的な満足度を得ながらも、売却時には高い資産価値を保っている……。図らずも、フェラーリの購入はAさんにとって“賢い資産防衛術”となったようでした。

牧野 寿和
牧野FP事務所合同会社
代表社員