定年後悪くはないが、それでいいのか?

2014年のデータですが、内閣府が60歳以上の男女6千名に、「普段の生活で楽しいと感じていること」を聞いた結果があります。「テレビ、ラジオ」が83%で最も高く、次いで「新聞、雑誌」55%、「仲間との集まりなどの交際」48%、「食事、飲食」48%、「旅行」41%、「家族との団らん、孫と遊ぶ」40%、といった順になっています。

「テレビ、ラジオ」が1位、「新聞、雑誌」が2位、というのは残念ではありませんか? 老後資金を考えるとテレビなどで時間を過ごすのがいちばん、というのもうなずけますが、本当にそれでいいのかな? それしかないのかな?と私は思うのです。

実際に「お金がないから楽しめない」とつぶやく人は多いですが、「時間がないから楽しめない」という退職者には会ったことがありません。お金がなくても時間を使って楽しんでいたのが江戸・明治時代に生きたふつうの人たち、すなわち、お百姓さんや漁師さんたちです。

彼ら彼女らの生き方や楽しみ方をヒントにして、私たちの生き方、とくに楽しみ方を見つけていきます。当時の人たちは、いまよりも格段に不便な社会で生きていました。私たちから見ると「ミニマリストでサステイナブルな生活」ともいえるでしょう。それでも日々を楽しんでいたのです。

人生を楽しむのはこれからです!

ふくしま ゆきお
昔の楽しみ研究家

※本記事は『定年後を豊かにするシンプルライフ お金・モノに頼らない生活の実現へ』(ごきげんビジネス出版)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。