「まさかうちが」…突然死は誰にでも起こりうる

年齢とともに高まる「健康リスク」。特に、高齢になると暑い、寒いといった感覚が鈍ってくる方は多いようで、気象庁が警告を発するほどの異常気象が続くいま、自ら危険を察知できないまま、命の危機に直面するリスクが高まっています。

厚生労働省「2024年国民生活基礎調査の概況」によれば、一人暮らしの高齢者世帯数は約903万世帯。全国の5,482万5,000世帯のうち、約16%を占めており、年々増加しています。もはや、孤立死・孤独死が隣り合わせ、という方は特別ではありません。

「普通に暮らしているだろうと思っていた人が、いつの間にか突然……」ということが現実に起きているのです。

熱中症で死んだ父

78歳の父の突然の訃報を受け、1年ぶりに実家を訪れたAさん(52歳)。玄関を開けた瞬間、鼻を突く臭いに異変を感じとりました。部屋の中は蒸し風呂のような熱気。エアコンは壊れ、カーテンも閉められたまま。築45年の木造住宅は、まるで時間が止まったようでした。

父親の死因は熱中症だったそうで、介護サービスのお迎えに来たヘルパーに発見されたとき、すでに亡くなっていたとのこと。

Aさんはまず、和室に向かいました。父親がいつも寝室にしていた6畳間の部屋は布団が敷かれたまま。恐る恐る布団を裏返すと案の定、カビが生えていました。確かにここも匂いますが、もっとほかに強い臭いを放っている場所がありそうです。

次にAさんは台所の奥へ向かいます。だんだんと異臭が強くなってきました。発生元はどこかと探していると……。脱衣所の片隅に置かれた二槽式洗濯機をのぞいた瞬間、Aさんは思わず低く叫び声を上げました。