「足す」ことですべてのインテリアの悩みは解決する

悩み3:すでにある安い家具が気に入らない

「ホームセンターで買った安い家具を使っているから、おしゃれな部屋にならない。でも買い替える予算はないし……」

こんなとき、「いっそないほうがいいのでは?」と処分してしまうのは「引き算」の考え方です。家具がないと不便ですし、部屋が物足りない印象になってしまうかもしれません。「足す」ことで解決してみましょう。

【解決方法6】 クッションを足す

たとえば、ソファがなんだか気に入らないという人は、ソファにクッションを足しましょう。クッションは腰当てという実用品でありながら、インテリア小物としてもとても優秀なアイテムです。

シンプルなTシャツとデニムだけでも、とてもおしゃれに見える人っていますよね。たいていは、服以外のバッグや靴、アクセサリーなど小物の組み合わせ方がうまいです。

クッションもそれと同じで、クッションの色や素材、サイズなどを変えて組み合わせることで全体のバランスが整い、すてきな光景をつくることができます。

【解決方法7】 小さいテーブルに小物を足す

「コーヒーテーブル」「センターテーブル」とは、ソファの前に置く小さめのテーブルのこと。リーズナブルなコーヒーテーブルの上に何も置かなければ、テーブルそのものが目立って、ちょっと殺風景な印象になってしまいます。

でも、テーブルの上に季節の花を飾ったり、旅先で見つけた小物やお気に入りのキャンドルなどを足したらどうでしょう? すると、主役がテーブルの上にあるインテリア小物になり、テーブルそのものには視線が行かなくなります。

飾るものとしては、私の例で恐縮ですが、岐阜県に旅行に行ったとき、お土産に15センチほどの美濃焼のカエルの置き物を買い、コーヒーテーブル上に置きました。また、写真集や読みかけの本をテーブルの上に重ねてみるのもいいアクセントになります。

出所:『イギリス人の部屋はなぜ物が多くても素敵なのか』(飛鳥新社)
出所:『イギリス人の部屋はなぜ物が多くても素敵なのか』(飛鳥新社)

イギリスには「本があってこそ部屋は部屋らしくなる」という格言があるくらい、本は「足す」ためのアイテムとして優秀です。

出所:『イギリス人の部屋はなぜ物が多くても素敵なのか』(飛鳥新社)
出所:『イギリス人の部屋はなぜ物が多くても素敵なのか』(飛鳥新社)

悩み4:すっきりしているけれど、なんだか殺風景

ミニマリスト的なインテリアを実践している方に多い悩みです。モノが少ないのですっきりはしますが、のっぺらぼうの洋室の場合、モノを減らすほどに実用性と楽しさが失われていきます。

モノが少なくても少ないなりに「フォーカルポイント」をつくると、すてきな部屋になります。また、 「足す」とは形あるモノだけではなく、素材や色、柄、光の陰影などさまざまに足すことです。

【解決方法8】 植物を足す

シンプルな部屋に生命を吹き込んでくれるのはその名の通り、命があるモノです。季節の花や観葉植物を足すことで、部屋はイキイキとします。

【解決方法9】 クッションやラグで色や柄を足す

色や柄の入ったクッションやラグを足すことで、空間がぐっと華やぎます。もし、空間に色をあまり足したくない場合は、異なる素材感のアイテムを取り入れるだけで、空間に多様性と豊かさが加わります。

たとえば、部屋全体が白、グレー、ベージュで統一されているなら、あえて、やはり白、グレー、ベージュなどの色を何箇所かで取り入れることで、落ち着いた雰囲気を保てます。この場合、単調にならないように、異なる素材や柄を取り入れることがポイントです。

素材はリネン、ニット、サテン調など、柄は花柄、幾何学、ストライプなどお好みで。細かい織り柄でも変化がつきますし、少し大胆なデザインでも空間にアクセントがつきます。

柄の入ったラグを敷くと空間が一気に華やかに。『イギリス人の部屋はなぜ物が多くても素敵なのか』(飛鳥新社)より。
柄の入ったラグを敷くと空間が一気に華やかに。
出所:『イギリス人の部屋はなぜ物が多くても素敵なのか』(飛鳥新社)

一方、色を足したい場合は、好きな色のクッションや花、ラグなどで取り入れます。似た色を何箇所かに取り入れたほうが統一感が生まれ、色の効果が高まります。クッションだけで色を足すのでも大丈夫です。クッションは、季節や気分によっても気軽に変えられるのも楽しいポイントです。

たとえば、春ならパステルカラー、夏ならブルー系、秋ならオレンジや茶色、マスタードイエロー、冬なら赤系やまたは素材感のあるウールやフェイクファーなどのクッションを取り入れると季節感が楽しめます。また、クッションに合わせて、花も同じ色合いにすると、部屋全体が一気に季節感があふれてすてきです。

【解決方法10】 アートを足す

壁がガラーンとしていると、殺風景になりがちです。目線の高さ(床から150センチくらい)にちょうどいいのがアートです。殺風景に感じる壁にアートを飾ってみましょう。アートは、絵だけでなく、家族写真や子どもが描いた絵、旅で買ったポストカードなどなんでもよいのです。

ただし、できれば額縁に入れて飾りましょう。大げさな額縁でなくても、100円ショップで売っているようなシンプルなフォトフレームで飾るのでもOKです。

飯沼朋子
株式会社デコール東京 代表取締役
建築士、インテリアデザイナー、アートアドバイザー