イギリスの部屋は、モノが多くてもなぜかおしゃれ。その秘密は「足す」インテリアにあります。家具や布、アートを少しずつ加えることで、個性と居心地のよさを演出しているのです。今回は、そんなイギリス流インテリアの魅力を、インテリアデザイナー・飯沼朋子さんの著書『イギリス人の部屋はなぜ物が多くても素敵なのか』(飛鳥新社)より一部抜粋し、ご紹介します。

(※写真はイメージです/PIXTA)
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イギリスのインテリアは「足す」インテリア
「イギリス流インテリア」とは、イギリススタイルのインテリア(たとえば、重厚感のあるアンティーク家具を用いたインテリア)のことではありません。ここで言う「イギリス流」とは、家にモノを「足す」ことで、心地よい空間をつくるインテリアです。
「え、ただでさえモノが多いのに足したくない」
「すっきりした空間が好きだから足さなくていい」
という声が聞こえてきそうです。
実はイギリスでも最近は、すっきりしたモダンな部屋が人気です。部屋も決して広くなく、都市部では、日本と同様に限られたスペースでの工夫が必要です。
それでも日本の一般的な住まいに比べると、確実に「足して」あるのです。足されているのは、具体的には、次のようなものです。
・家具
・ファブリック(クッションやカーテンなどの布製品)
・インテリア小物(置き物、オブジェ、フォトフレーム、キャンドルスタンド、本など)
・ランプ
・アート
・ミラー
・素材(異素材や素材感)
・色
・柄
・光の陰影(照明で灯りが照らされることによりできる影など)
さらには、
・個性、思い出
・その家独特の空気感
といった、家主に関連するものだったりします。
長年多くのお宅を見てきましたが、こういったモノを組み合わせて足していくことで、確実にすてきな部屋に変わっていきます。私の仕事は、「いかに足すか」といっても過言ではないでしょう。