「孫の笑顔は最高の薬」といいますが、心には効いても、さすがにじいじばぁばのお財布には効かないようです。初孫が生まれるとお財布のひもが緩みがち。ところがお金は減ると目に見えてわかるため、急激な心のアップダウンを経験するケースもあるようです。本記事ではAさん夫妻の事例とともに、“孫育て”を楽しむためのポイントについて、オフィスツクル代表の内田英子氏が詳しく解説していきます。

こんなじぃじばぁばですまない…「貯金1,200万円・手取り月28万円」60代祖父母、初孫フィーバーの末路。半年後の通帳残高に顔面蒼白【FPの助言】
孫育てを楽しむためのポイント
よくある落とし穴に陥らないために、以下のようなポイントを押さえておきましょう。
●現在の家計を見える化する
●孫予算を決める
まずはライフプランを見直し、これからの望ましいライフプランと必要な金額を確認しておきましょう。初孫への出費は確かにご自身にとって価値があるからこそされるものと思われますが、そうはいってもご自身の人生のなかで大切にしたい支出は孫への出費だけではないはずです。
たとえば医療費や介護費といった万が一の費用やレジャー費など、その他にご自身が大切にしたい支出はあるはずです。そのような資金を確保することは、ご自身の人生にとって重要です。
そのうえで、現在の支出額や収入額など、家計状況についても確認しておきましょう。孫への出費はお財布のひも紐が緩みがちですが、普段のご自身の食費や生活費と照らし合わせることで、冷静に購入を検討することができるようになります。
たとえば、チャイルドシートは警察署や自治体でのレンタルサービスがあり、交通安全協会に加入している場合など、無料でレンタルできる場合もあります。上手に活用しましょう。
また、できる限り早い時点で予算を決めておき、ボーダーラインについてご家族に話せるようにしておきましょう。お金については話しづらい、と思われるかもしれませんが、話してみると案外、「ちゃんと考えているんだな」と歓迎されます。
筆者はこれまで老後生活のライフプランに関するご相談を多数受けてきましたが、老後生活においてご家族への支出に頭を悩ませる方は少なくありません。一度大きな支援をしてしまうと、繰り返し期待されてしまう可能性もあります。
子育てを助けてもらう子ども目線でいえば、じぃじばぁばからの援助は大変ありがたいものです。また、子育て期間には限りがあり、長期にわたるからこそ、できる限り一緒に楽しみたいとも思うもの。しかし、それでじぃじばぁばの老後生活が悪化してしまっては……とても心配です。
ぜひ、お孫さんが生まれる前に、上記のようなポイントをおさえて、お金の心配をなくし存分に“孫育て”を楽しんでください。
内田 英子
FPオフィスツクル代表
ファイナンシャルプランナー