人生の大きな節目である「定年」。「第二の人生」がスタートするタイミングですが、年収1,100万円で都内に暮らすエリートサラリーマンのAさんは、約30年の社会人生活を振り返り、ひどく後悔。FPに相談したところ、「年金受給開始」を待たずに最悪の未来が待っていることが判明しました。事例をもとに、資産形成のコツと注意点についてみていきましょう。

(※写真はイメージです/PIXTA)
息子よ、俺みたいになるなよ…年収1,100万円の59歳・定年直前サラリーマン、この春から社会人の24歳長男に伝えた「一生涯の後悔」【CFPが解説】
後日談…Aさんの背中を“しっかり見て”育っていた息子
Aさんはある休日、この春、社会人としてスタートを切ったCさんに語りかけました。
「……Cよ、俺みたいになるなよ。お金は稼ぐだけじゃだめなんだ。計画的に守って、増やす努力が必要だ。俺は『いまさえよければ』と生きてきたけど、お前は俺の失敗を繰り返さないでくれ」
すると、Cさんは次のように返しました。
「なに、昼間から酔っ払ってんの?(笑) 大丈夫だよ。父さんを反面教師にして、俺は将来のためにNISAをやってんだ。少額だけど、バイト代からコツコツ積み立ててるよ」
自身の行動が伴わなくても、CさんはAさんの背中をよく見ていたようです。
Aさんは息子の話を聞き「よくぞここまで育ってくれた。新社会人、頑張れよ!」と、涙目になりながら熱いエールを送りました。
現役時代に高収入であっても、資産形成を怠れば老後は途端に生活が苦しくなります。Aさんの事例はまさにその典型例といえるでしょう。
預金やNISA、株式投資など選択肢はさまざまですが、老後に起こりうる“万が一”の事態に備え、コツコツ資産形成をしていくことが重要です。
息子の人生に負担をかけないためにも、今回の学びを糧に堅実な支出を心がけていただきたいものです。
牧野 寿和
牧野FP事務所合同会社
代表社員