医学部受験「私立大学は高卒生の合格率が高い」意外な理由【メディカルラボが解説】

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医学部受験「私立大学は高卒生の合格率が高い」意外な理由【メディカルラボが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

2025年度入試で頑張ったのに思いどおりの結果にならなかった人は、気持ちを入れ替えて今すぐに来春の医学部受験に備えましょう。また、2027年度以降に受験をする人も、少しでも早く志望校を決定して受験勉強を開始しましょう。本稿では、特に注意が必要な私立医学部について、「高卒生の合格可能性」とリスタートする際のアドバイスを紹介します。

国公立医学部の合格者、「現役+1浪」で8割超を占めるが…

医学部受験は近年、激化する一方で、合格を勝ち取るのは至難の業です。国公立、私立ともに偏差値65がボーダーラインの目安となっていて、全学部のなかで最難関学部となっています。

 

医学部合格者を現役生と高卒生の割合で見ると、国公立の合格者は5~6割が現役生であり、現役と1浪を合わせると合格者の8割を超えます(図表1)。この傾向は昔からあまり変わりません。つまり国公立医学部を目指す場合は、1浪目までが重要なカギを握ります。現役で合格するくらいの気持ちがなければ、国公立は難しいでしょう。

 

2024年度医学部合格者における現役生・高卒生の割合  出所:メディカルラボ著『2025年度用全国医学部最新受験情報』(時事通信社)
[図表1]国公立医学部の合格者は5~6割が現役生 2024年度医学部合格者における現役生・高卒生の割合
出所:メディカルラボ著『2025年度用全国医学部最新受験情報』(時事通信社)

 

一方、私立大学の医学部は状況が異なります。現役合格率が5割を超える大学は少なく、現役合格者の占める割合はおおむね20~30%にとどまっています(図表2)。

 

例外として慶應義塾大学、順天堂大学、東京慈恵会医科大学、日本医科大学などの難関私立医学部における現役合格率は5~7割と高くなっていますが、これはあくまで東京大学理科三類をはじめとする国公立医学部志望の現役生が多く併願するからです。

 

2024年度医学部合格者における現役生・高卒生の割合  出所:メディカルラボ著『2025年度用全国医学部最新受験情報』(時事通信社)
[図表2]私立医学部の合格者は7~8割が高卒生 2024年度医学部合格者における現役生・高卒生の割合
出所:メディカルラボ著『2025年度用全国医学部最新受験情報』(時事通信社)

私立医学部の現役合格率が低い「意外な理由」

一部の地域の高校を除いては、高校は地元の国公立大学の現役合格へ向けた対策を授業で行います。国公立の入試問題の場合、例えば英語は学部・学科で共通問題である場合も多く、医学部を受験する生徒の学力レベルに合わせた出題は行いません。同様に数学や理科も理系共通である場合が多いです。そして国公立の入試問題は、文部省認可の教科書をしっかりと学習していれば解答できる標準的な出願内容と考えてよいでしょう。

 

一方で私立医学部は、ほぼすべての大学で、医学科用に入試問題を作成します。他学部との学力レベル差を考えてのことです。また、私立は入学してほしい生徒の方針が大学ごとに異なり、これは国公立よりも色濃く入試問題に反映されます。


図表3は国際医療福祉大学の2024年度英語入試問題の分析です。この大学は、将来は国際社会で医師として活躍してほしいとの願いから「英語」に力を入れており、入試問題は難しく、分量も多く、読解問題は医療・科学系の内容で占められます。

 

出所:メディカルラボ著『2025年度用全国医学部最新受験情報』(時事通信社)
[図表3]国際医療福祉大学 2024年度の出題傾向と分析 出所:メディカルラボ著『2025年度用全国医学部最新受験情報』(時事通信社)

 

私立については他学部も同様ですが、医学部はハイレベルな受験生が集うために、傾向に即した対策が合否を分けるといえます。

 

浪人した際にも、一般的な予備校の場合は、国公立対策を中心とする授業になり、私立医学部を目指す際には注意が必要です。予備校選択を間違えたために、多浪している人も多くいます。できれば、メディカルラボのような医学部専門予備校で対策をしたほうが、少しでも早く医学部に合格できる可能性が高いです。

残念な結果でも、がんばり次第で来年の受験結果は大きく変わる

今年は残念ながら医学部に不合格だったとしても、がんばり次第で来年の受験結果は大きく変わります。ここからは、浪人生活が決まった生徒に向けてアドバイスをしたいと思います。

 

何よりも大切なのは、受験勉強の再スタートをできるだけ早く切ることです。

 

受験に失敗して燃え尽きた、あるいは疲れ果ててしまったなどの理由で、予備校の新年度カリキュラムが始まる4月まで勉強を休む生徒が少なくありません。

 

受験勉強のモチベーションを維持し続けるのは簡単ではありませんから、休みたくなる気持ちはわかります。しかし、受験が終了した時点が「学力のピーク」です。その後、何もしないとどんどん学力は低下していきます。受験後すぐに頭を切り替えて勉強を再開した生徒と比べ、1~2ヵ月間でかなりの差がついてしまうのです。

 

4月までの時間を有効活用することで、万全な状態で医学部入試に臨むことができます。医学部に合格するためには、当然ながら苦手科目や苦手分野をなくすことが大事です。浪人を決めたら、早めに自己分析を行い、失敗の原因を踏まえたうえで受験勉強を再開しましょう。

 

メディカルラボの学力診断テストは、メディカルラボの生徒でなくとも無料で受けることができます。実際の医学部合格者と学力を比較できるので、医学部合格までの現実的な目標設定や学習計画の立案に役立つほか、つまずきの原因や学力レベルにあった参考書、効果的な勉強法など、個別のアドバイスを受けることが可能です。

高卒生にある「2つのアドバンテージ」を最大活用しよう

高卒生には大きく2つのアドバンテージがあります。

 

1つ目は、とにかく時間があることです。高校生活のある現役生と違い、全エネルギーを受験勉強に注ぎ込めます。私立医学部であれば、基本的に英語・数学・理科の3科目ですから、国語や社会は勉強しなくてもいいわけです。すべての時間を自分の志望大学に照準を合わせて勉強できます。

 

2つ目のアドバンテージは、受験に1回失敗したということです。現役生と異なり、失敗の原因を徹底的に分析し、弱点を洗い出し、その科目の強化を図ることができます。浪人という選択をネガティブに捉えるのではなく、前向きに考えて努力することが大切だと思います。

 

浪人が決まった2月下旬時点で何をすべきか。再三にわたり申し上げますが、1日でも早く受験勉強を再開することです。遊んでいる余裕はありません。来年の受験まで1年間、十分に勉強できるだろうと油断した結果、9月ごろから「時間が足りない」と焦り始める高卒生は毎年多く見られます。

 

メディカルラボでは、新年度のカリキュラムを前倒しでスタートできる「新年度準備講座」を用意しています。早めに基礎を固められれば、そのぶん早く志望校対策に着手できます。4月を待つことなく受験勉強を再開し、来年の合格をつかんでください。

 

 

山本 雄三

医系専門予備校メディカルラボ  情報研究所 所長

前職では河合塾で校舎運営や本部運営に携わる。その後、医系専門予備校メディカルラボに入社後、福岡校の校舎長を経て、「メディカルラボ情報研究所」所長に就任。医学部入試情報を独自に収集・分析し、学習カリキュラムや指導に反映。全国で開催する医学部入試に関するガイダンスの企画・講演や、同予備校監修の『全国医学部最新受験情報』の企画・構成を担当。九州大学卒業、福岡市生。