同じような学歴、職歴、役職にもかかわらずシニア転職後に新入社員並みの年収の人と、役職定年前の年収を確保できる人の差はどこでつくのでしょうか。60歳以降の年収には何が大きく影響力するのか、大塚寿氏による著書『会社人生「55歳の壁」突破策』(かや書房)から一部を抜粋・再編集し解説します。

60歳、定年退職後「新入社員並みの年収」と「役職定年前の年収」の人は、一体何が違うのか<55歳以降のシニア転職>【元リクルート社員が助言】
誰がキーパーソンなのか、探す意識を持とう
問題は、周りの人間関係の中で、誰がキーパーソンなのかが分からないことです。私自身も営業コンサルの仕事で売上100億円前後の企業を担当すると、必ず「誰かいい人がいたら……」と紹介を依頼されます。
要は、「うちの会社に合う人がいたら、採用したいので紹介してください」という特定のポジションを指しての会話です。
なので、ふさわしい人がいたら声はかけますし、ダイレクトに声をかけられない場合は、近い人に、この話に興味を持ちそうかどうか打診するようにしています。また、「ピン!」と来る人がいない場合は、仕事仲間に「〇〇業界で××ができそうな人いない?」と訊いていきます。
世の中にはそうした候補者を探している人がたくさんいますし、必ずあなたの周りにもいるはずなので、まずは誰がキーパーソンなのか、判別する意識を持ちましょう。そのためには、一人で悩むことはせず、あなたが「信頼を置ける」と判断した人に相談してみることです。
いつでもキーパーソンと巡り合うためには
ホントは、どこの会社も若い人を採用したいのです。マネジメント層にしても40代が欲しいに決まっていますが、氷河期世代、超氷河期世代と呼ばれた40代はどこの企業でも手薄ですから、「これは」という人材は、転職市場では大手に行ってしまうのです。
なので、職種によっては、60歳でも背に腹は代えられない現実があるのです。
そういう意味では55歳の役職定年時なら、さらに有利で、その時にキーパーソンに巡り合えるのが理想です。
そのためには「何ができる人なのか」というセルフ・ブランディングとその発信が大事なのと、20年前、30年前の人間関係も大切にしておきたいものです。
そういう意味では、年賀状に添える一言がキモだったり、SNSで旧交を温めることだったり、古い知人と久しぶりに会ってみるなど、人間関係のメンテナンスが重要になります。
大塚 寿
エマメイコーポレーション代表取締役