60代以降のライフプランを考えていますか? 仕事は続けたくとも年齢があがると早々職にはつけないのではないか、などと悲観的になる必要はありません。大塚寿氏による著書『会社人生「55歳の壁」突破策』(かや書房)では、60代以降の働き方について詳しく解説しています。本記事では一部を抜粋・再編集し紹介します。

60代、定年退職後→キャリアを活かして転職?再雇用?新しい職業にチャレンジ?〈仕事をつづけたいシニアを待つ選択肢〉
選択肢は60代以降のライフデザインによる
「自分がやってきたことをやりたい」という文脈では、仮に60歳で転職した場合の年収は職種に大きく左右されますので、ここを客観的に押さえておいてほしいと思います。
要は、「売り手市場」の職種か、「買い手市場」の職種か、です。前者の場合は60歳の定年退職のタイミングで転職したほうが再雇用より好条件になるケースが高く、後者の場合は転職すら難しいので再雇用を選択するほうが無難といった判断材料になるからです。
例えば、60歳からの転職市場では技術者、現場系は有利で、施工管理、設備関係の仕事も比較的容易に見つかるでしょう。
営業系については、実績と人脈で二分されますが……。
専門性が高ければ高いほど有利で、海外での工場立ち上げといった専門性があると年齢は関係なくなり、知人の父親は76歳でも出身メーカーのインド工場の立ち上げを依頼されていました。
気楽な仕事だからこそ今までできなかった職種への挑戦
逆に時給1,200円から1,500円レベルで構わないので気楽で好きな仕事を、という例としては、プライム上場企業の総務部長だったLさんは定年後、いわゆる高級車の某外車ディーラーで車の回送をやっていました。
車検や故障時にセールスパーソンとは別に、妙に品のいいシニアが車の引き取りに来てくれたりしますが、高級車のディーラーではそうした人材を活用しているんだなぁと思いました。
気軽という意味では、定年後、タクシードライバーを選択する人も一定数います。大卒で有名企業を定年後、なぜタクシーなのかと不思議に思いますが、気楽で自由というのが大きいそうです。「年金以外の小遣い稼ぎじゃなきゃやらない」と、ご本人たちはおっしゃっていますが……。
60歳以降、「これまで自分がやってきたこと」や50代の年収に近い待遇にこだわった転職を目指すか、再雇用を選択するか、はたまた気楽な時給1,200円程度の転職を選択するかは、あなたの60代以降のライフデザインによります。
いずれにしても60代になっても仕事はいくらでもありますので、悲観的にならずに、ポジティブな気持ちで未来を描きましょう。
大塚 寿
エマメイコーポレーション代表取締役