介護は「一人で頑張らず、人に頼る」

認知症がやっかいなのは、判断ができなくなるにもかかわらず、親としてのプライド、人としてのプライドはそのままですから、「できなくなったことをバカにしている」つもりなどまったくないのに、すぐにケンカになってしまうことです。

ゴミ出しが集積所ではなく、玄関前に変更になったこと、1週間のピルケースのことなどを忘れないように「メモに書いて貼っとくね」というのが、お母様のプライドを傷つけ、バカにされたと受け止めて怒り出してしまうのだそうです。

また、デイサービスについては、たまたま先に介護中だった知人から「最近のデイサービスの施設は、いろいろなバリエーションがあってスゴい」とは聞いていました。

「老人の幼稚園」のイメージなどではなく、麻雀を楽しむ施設やスポーツジムのような施設など、好みに応じていろいろな施設があるので、デイサービスの日が楽しみになるそうです。

介護は団体戦で挑む

ケアマネージャーの黎明期から長年介護の現場にいた専門家によれば、介護は「一人で頑張らず、人に頼る」ことに尽きると言います。

「親の介護は子供がやるべき」「他人や施設に任せるのは後ろめたい」というのが、一番好ましくない結末となり、介護疲れの結果、親に憎しみの感情を抱いてしまうことすらあるのだそうで。

親も我慢しない、子供も我慢しない状況が、どのようなものなのかを考えておくのも重要だと。

その状況に近づけるために、地域の情報や口コミといった情報を集め、官民のサービスを上手に組み合わせ、団体戦という気持ちで介護に向き合っていきたいものです。

大塚 寿
エマメイコーポレーション代表取締役