近年急速に普及しつつある「SNS」。世界中の人と交流が可能になるのは魅力的ですが、悪意を持った詐欺師たちとも簡単につながることができてしまいます。本記事では、50代の佐藤さん夫婦の事例を取り上げ、「SNS型投資詐欺」の実態と被害にあわないために押さえるべきポイントについて、ファイナンシャルプランナーの内田優帆氏が解説します。
お前、なぜそんなことを…。58歳・大企業勤務のサラリーマン、悠々自適の老後を確信していたが「2,000万円の貯金消滅」で計画崩壊。原因は55歳〈専業主婦妻〉が知り合った「スマホの向こう側のお友達」【FPの助言】
「夫婦でゆったり過ごすはずの老後が…」夫、思わず絶句
とはいえ、絵里さんもいきなり大金を投じるのには躊躇しました。しかし、少額から始められると言われ、試しに30万円を投資。すると、配当金がスムーズに支払われました。
配当金が入ってきて安心した絵里さんは、続いて100万円を投資しました。これもスムーズに支払われたため、「この投資は儲かる」と確信。「たくさん投資するほどリターンも大きい」と言われ、さらに300万円を追加投資し、その後も次々と資金をつぎ込んでしまいます。
しかし、しばらくすると配当金の支払いが滞るようになりました。運営者に連絡をしても、あれこれ理由を述べて誤魔化されるばかり。最終的には投資グループは閉鎖され、運営者とまったく連絡がとれなくなってしまいました。
絵里さんが調べたところ、この投資話はSNS型投資詐欺であることが判明。そして気づいたときには、合計して2,000万円が失われていたのです。
和也さんが絵里さんの様子がおかしいことに気づいたのも、資産が失われた後のことでした。スマートフォンを見ては暗く辛そうな顔をする絵里さんから報告を受けた和也さんは、言葉を失いました。
「こんな大金を詐欺で奪われたなんて。老後計画がめちゃくちゃだ……」