大切な殿・道長の気持ちっていうことが最後まで手に入れられなかった人生

――「光る君へ」の源倫子の人生を振り返って

やっぱり倫子はやんごとないところの姫というか、父(源雅信)と母(藤原穆子)に愛されながら、自由気ままじゃないですけれど、大切に育てられてきた中から道長という人に恋をし、自分の子ども(藤原彰子)から帝が出るまで、いわゆる政治(道長が目指する政(まつりごと))に妻としてついていくっていう人生だったので。

だけどその中には一番、道長の気持ちっていうものがたぶん見えてこなかった生活っていうことがあったと思うので、成し遂げたことも多いけれど、大切なもの・殿(藤原道長)の気持ちっていうことが最後まで手に入れられなかった人生なのかもしれないなと思いました。

まひろと道長の関係を知ってなお、「殿に会ってくれ」と頼む倫子という女性の愛

――まひろと道長の関係を知って

難しかったですね。いろんな思いが襲ってくるといいますか、そんなに幼いときからの知り合いだっていうことももちろん知らなかったですし、道長とまひろは大事な友を一緒に葬っているというその事実もすごく大きいことでしたし、それを受け入れるまでにも時間がかかるといいますか、なかなか大きな出来事だったので それをきっと処理するまでに時間がいっただろうし……。

セリフにもありますけど、やっぱり彰子の気持ちというものがあるのと、でもまひろさんにやっぱり感謝はしているので、そこらへんのなんていうか整理のつかない気持ちというのが難しかったですかね。

――「殿に会ってやっておくれ」と頼む倫子

(C) NHK
(C) NHK

やっぱり自分の愛する人が最期を迎えるときに何が自分のできることなんだろうって考えた結果だと思うので。妻として、政治の支えをしてきたパートナーとして、やっぱり道長が一番望むものっていうのを考えた結果だと思うので、その間にはいろいろ葛藤はあったでしょうけど、やっぱりそれが一番だっていうこと。道長のことを思ってだと思うんですけどね。それがすごく愛だと思いますね。