A家のポストに突然届いた「赤い封筒」…差出人は

口では「働け」と息子に説教をしながらも、なんだかんだ3人で過ごせる日々も悪くないと考えていたA夫妻。しかし、そんなA夫妻の“甘い考え”が吹き飛ぶ大事件が。

ある日、母のBさんが家に帰ると、ポストに見慣れない赤い封筒が入っているのを見つけました。見るとCさん宛で、差出人は「日本年金機構」と書いてあります。「大切なお知らせです。必ず開封してください」とのこと。

「こんなのが届いてたんだけど」と夫とCさんに声をかけ開封すると、中身は国民年金保険料の納付を促す「特別催告状」と呼ばれるものでした。Cさんに聞くと、「国民年金保険料を払っていなかった」と言うではありませんか。

「理由を聞かせて」「おい! どういうことだ!」2人は思わずCさんに詰め寄ります。

Cさんはしどろもどろになりながら、未払いの理由について次のように話しました。

「実は古着屋時代、生活が苦しくて……年金機構から何度もハガキ(催告状)が届いていたけど、払えないし、無視していたんだ」

「なんてこと……甘やかした自覚はあったけれど、こんな当たり前のことすら怠るなんて」

あきれたA夫妻は、すぐに対応しなければと、早速Cさんを最寄りの年金事務所に行かせることにしました。

20歳以上60歳未満は「国民年金」に加入する義務がある

20歳以上60歳未満の人は、国民年金の加入義務があります。自分の店を開いて個人事業主となってから、仕事をしていない現在にいたるまで、Cさんはその第1号被保険者にあたります。第1号被保険者になると、毎月1万6,980円の国民年金保険料(2024年度)を払う義務があります。

国民年金の仕組みについて改めて年金事務所で説明を受けたCさんでしたが、困ったように肩をすくめます。

「払えと言われても、働いていないんだからお金がないし、払えないよ……」

収入がないため、当然といえば当然のことかもしれませんが、Cさんのように収入がない人の場合、救済策はないのでしょうか。