年々上がっていく国民年金保険料。2025年度は2024年度よりも530円高い1万7,510円となる予定です。こうしたなか、年金保険料の支払いを負担に感じる人も増えています。しかし、日本年金機構からの催告状を放置していると“悲惨な末路”を迎えるかもしれません。具体的な事例をもとに、未納を続けた場合の“悲劇”と“救済策”をみていきましょう。株式会社よこはまライフプランニング代表取締役の五十嵐義典CFPが解説します。
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甘やかしすぎたな…30歳“出戻り息子”の寝顔を見ながらため息。年金月27万円・貯金2,000万円の60代夫婦、日本年金機構から届いた「赤い封筒」に悲鳴【CFPの助言】
趣味は貯金。「金銭的不安とは無縁」なはずの老夫婦だったが…
現在69歳のAさんには、3歳年下の妻Bさんがいます。Aさんは現役時代、上場企業で部長を務めた真面目な男性で、妻のBさんとはお見合いで知り合い結婚。Bさんは専業主婦となりました。
Aさんは60歳で定年を迎え、2人の年金受給額は月額およそ27万円です。この他、収入源としてAさんの企業年金などがあります。
また、Aさんは趣味が貯金だったこともあり、定年までに住宅ローンは完済。また、65歳まで再雇用されていたことから、年金生活になった現在も貯金は2,000万円ほど残っています。
金銭的な不安はないはずのA夫妻ですが、2人には悩みの種がありました。それは、最近東京から帰ってきた30歳のひとり息子Cさんのことです。
念願の「古着屋」開業も、3年で廃業…A夫妻の悩みの種
Cさんは高校卒業後、都内の有名私大に進学。在学中にアルバイトを始めたことをきっかけに古着にハマり、大学卒業と同時に、バイト先の古着屋に就職しました。
「いつか自分の店を持つ」という夢を抱きながら社員として働くこと3年強、Cさんは26歳にして念願の古着屋を開業しました。
「夢を追うのはいいことだけど、お金もないはずなのにそんなに早く店を開いて大丈夫なのかしら」と不安に思っていたA夫妻。その“イヤな予感”は的中し、Cさんは約3年で廃業することに。借金を抱えたCさんは、やがて実家に出戻ってきました。
「別にずっといるわけじゃないから。働きながら借金を返して、また都内で挑戦するからすぐに出ていくよ」
Cさんはこう言っていたものの、いざ実家で暮らしはじめると家事はしないどころか、なかなか仕事にも就かない様子です。
結局、「就職が決まったら給料から返すから」と、生活費はしばらくA夫妻が立て替えることに。しかし、その後も仕事に就く気配はなく、実家で思う存分ダラダラするCさん。ソファで爆睡する息子の寝顔を見ながら、「甘やかしすぎたかもしれないな……」とため息をつくA夫妻です。