冬の寒さで体が冷えて「おなかの調子が悪くなってきた」という人もいるのではないでしょうか。『腸にいい習慣ベスト100』(総合法令出版)著者で松生クリニック院長の松生恒夫氏によると、こうした「大腸の機能低下」はさまざまな不調を引き起こすといいます。松生氏が作成した簡易チェックリストをもとに、あなたのいまの状態を確認してみましょう。
寒くなるとお腹の調子が悪い→“大病予備軍”の可能性も…あなたは大丈夫?「お腹の健康状態」がわかる15のチェックリスト【医師が解説】
気温差は腸にも影響…季節を問わず「腸の砂漠化」に要注意
腸のために食事や生活習慣に気をつけている人でも、意外と見落としがちなのが水分の摂取です。
多くの人は、飲んだ水のほとんどは大腸へ移動して、便をやわらかくしてくれると思い込んでいますが、実際に便に行くのは飲んだ水のたった2%です。2Lの水を飲んでも、たった40mLしか便には送られないのです。
本来、大腸の中はたっぷり水分を含んだ「泥状」の食物残渣が多くあります。しかし、水分の摂取量が少なかったり、汗の量が多かったり、食物繊維の摂取量が少なかったりすると、大腸内の水分が減少します。
すると泥状であった残渣が固形化し、大腸の中にはびこります。このように残渣が停滞しやすくなった状態を、私は「腸の砂漠化」と呼んでいます。
腸が砂漠化すると便秘が慢性化し、腸の働き自体が衰える「停滞腸」になります。そして排出されない老廃物が有害物質を発生させ、それらが全身をめぐり、不調や病気を引き起こします。お腹の中には常に2〜3Lのガスがたまっている状態となり、腹部の強い不快感が脳神経に伝わり、うつうつとした気持ちを引き起こしてしまうこともあります。
腸の砂漠化は、季節を問わず注意が必要です。夏場は発汗が多くなり、「夏便秘」が増えます。
冬は水分の摂取量自体が減りやすく、冷えも影響して停滞腸が発生しやすくなります。季節の変わり目やエアコンが稼働する時期には、10℃以上の気温の変化や室内と室外の温度差によって、腸の調子が崩れやすくなります。
腸の砂漠化を予防するには、少なくとも1日2L以上の水分を摂るようにしましょう。コップ1杯程度ずつ、分割して飲むのがコツです。
松生 恒夫
松生クリニック
院長