まるで日常に魔法にかけたようにワクワクを届けるクリスマス・シーズン。サンタクロースがクリスマス・イヴの晩に「一体どうやって世界中の子どもたちにギフトを届けているのか」気になるところです。イヴの日のサンタを追いかけることができるテクノロジーを紹介します。
聖夜に空を飛び回るサンタクロースを追跡! クリスマスにワクワクを届けるテクノロジー (※写真はイメージです/PIXTA)

 ※本稿は、テック系メディアサイト『iX+(イクタス)』からの転載記事です。

サンタを最新テクノロジーで追跡するNORAD(北アメリカ航空宇宙防衛司令部)が毎年期間限定で届けるアプリ

まず最初にご紹介するのは、北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)が、毎年クリスマスに期間限定で用意する特設サイトです。サンタクロースが全世界の子どもたちにプレゼントを届ける様子を上空から追跡し、オンラインで公開するというなんとも夢のある無料サービスです。

 

現在日本語での配信のほか、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ポルトガル語、中国語で行われて世界中の子どもたちにワクワクを届けています。2024年もウェブサイト、アプリで12月1日にオープン予定。

 

本サービス『ノーラッド・トラックス・サンタ』が始まったきっかけは、まったく思いがけない理由でした。1955年、コロラド州のスプリングスに拠点を置くシアーズローバック社は、サンタへの直通電話サービスを開始します。

 

ところが、広告に誤った電話番号を掲載してしまったのです。その電話番号がCONAD(中央防衛航空軍基地)司令長官へのホットラインでした。子どもたちからの電話を次々に受けた当時の司令官であるハリー・シャウプ大佐は、部下にサンタが北極から南へ移動した形跡がないかを、レーダーで確認させました。そしてハリー・シャウプ大佐は当時電話をかけてきた子どもたちに、サンタの最新位置を伝えていったのです。

 

この遊び心ある取り組みは翌年以降も続くことに。1958年に、米国とカナダが北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)を創設しますが、サンタの追跡業務も引き継がれたのです。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(写真はイメージです/PIXTA)

 

サンタを追跡するのは、北米警戒システムと呼ばれるNORADレーダー・システムです。35,888kmの静止軌道上の熱探知衛星、サンタ・カメラ・ネットワーク、カナダのCF-18戦闘機、アメリカのF-15・F-16・F-22戦闘機で追跡。さらに、サンタのエスコートまで行うのだそう! 追跡の際にサンタクロースは「BIG RED ONE」というコールサインで識別されています。

 

12月1日からオープンしカウントダウンが始まり、例年どおりであればサンタは準備を行なった後、24日の20時ごろ北極を出発します。そして各地を飛行し、オーストラリアから日本にやってくるのは23時ごろ。Webやアプリではサンタの現在位置が表示され、3D画面で飛行する様子が見られます。一年に一度のお楽しみなので、ぜひチェックしてみてください。

 

参考:Official NORAD Tracks Santa|NORAD

https://www.noradsanta.org/en/