みなさんにとって定番の朝ごはんはどのようなものでしょうか? パンとコーヒー、ごはんに味噌汁、シリアルにヨーグルトなど、最近では様々な食品が選択肢として増え、短時間でも手軽な朝ごはんを楽しめるようになっています。実は忙しい朝の食卓の満足度を上げるべく、最新テクノロジーを活用したアイテムが続々登場していることをご存じでしょうか? そこで今回は朝の定番メニューに焦点を当てながら、最新研究やテクノロジーを駆使した画期的な事例をご紹介してみたいと思います。
朝からテクノロジーの恩恵を。時代や人に寄り添う朝ごはんアイテムの進化事例 「Body Granol」(カルビー提供)

コーヒーで日本初の機能性表示食品!BMIが高めの人の安静時のエネルギー消費の向上をサポートする「UCC&Healthyスペシャルブレンド」

「UCC&Healthy」シリーズ。左が「UCC&Healthyスペシャルブレンド」(UCC上島珈琲提供)
「UCC&Healthy」シリーズ。左が「UCC&Healthyスペシャルブレンド」(UCC上島珈琲提供)

 

最後は、朝の眠気やだるさをスッキリ解消してくれる飲み物として広く愛されるコーヒーの最新事例について。UCC上島珈琲株式会社(兵庫県神戸市)は、コーヒー由来の成分である「トリゴネリン」に注目した新商品を2024年9月に発売しました。

 

同社は最新の独自研究において、コーヒー生豆に多く含まれる「コーヒー由来トリゴネリン」という成分が、BMIが高めの人の安静時のエネルギー消費の向上をサポートすることを発見しました。この成分はもともとコーヒーに多く含まれるものの、焙煎するほど少なくなってしまう成分。つまり含有量を保つには焙煎を浅くする必要があり、酸味が強くなってしまう傾向があるそう。

 

同社は1933年の創業以来培ってきた焙煎技術とブレンド技術を駆使することで、トリゴネリンの含有量を保ちながらも、レギュラーコーヒー本来の豊かなあまい香りとバランスの良い味わいを実現することに成功し、商品化を実現したのです。

 

研究成果は次の通り。各群合計男女91名、そのうちBMIが高めの人としてBMI23以上の20名をサブグループ解析の対象とし、試験食品摂取期間は8週間。安静時エネルギー消費量などについての評価を行いました。その結果、トリゴネリン摂取群は、8週間後の安静時エネルギー消費量が、プラセボ群と比べて有意に高くなることがわかりました。

 

コーヒー由来トリゴネリンの継続摂取による、ヒトにおける安静時エネルギー消費量に及ぼす影響を調べたプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験(UCC上島珈琲提供)
コーヒー由来トリゴネリンの継続摂取による、ヒトにおける安静時エネルギー消費量に及ぼす影響を調べたプラセボ対照二重盲検並行群間比較試験(UCC上島珈琲提供)

 

このことから、いつものコーヒーを「UCC&Healthyスペシャルブレンド」に置き換えることで、コーヒーのおいしさを楽しみながらも、無理なく健康習慣を目指せるということになります。朝のコーヒー一杯がダイエットに貢献するとなれば、気になる人は少なくないでしょう。

 

時代とともに気候やライフスタイルの変化は避けられないこともある中で、健康や安心につながる新たな食品がどんどん誕生していることは、私たちの朝食を堅実に守ってくれることにつながっていくでしょう。健やかな朝を実践するためにも、“朝ごはん×フードテック”の最新動向に注目していく価値は大いにありそうです。

 

 

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<著者>

スギアカツキ

食文化研究家。長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを幅広く学ぶ。在院中に方針転換、研究の世界から飛び出し、独自で長寿食・健康食の研究を始める。食に関する企業へのコンサルティングの他、TV、ラジオ、雑誌、ウェブなどで活躍中。