水の使用量を99%削減。ウルトラファインバブルを活用したトイレ清掃
最後にご紹介するのは、高速道路のサービスエリアのトイレでウルトラファインバブルを活用している事例です。
西日本高速道路株式会社(以下、NEXCO西日本)では管内のサービスエリア・パーキングエリアでのトイレ清掃作業において、利用者への迷惑を最小限に留めた効果的な清掃方法の開発を行っており、その一環として2010年からウルトラファインバブル水を使用したトイレの清掃をスタートさせています。
まずは中国地方の一部の休憩施設から始まり、現在では、NEXCO西日本では管内のSA/PA(もしくは休憩施設)の約300箇所にまで活用が広がっています。
サービスエリア・パーキングエリアにおけるトイレ清掃は、従来はハンドブラシで床面を手洗いし、清掃機でブラッシングすると同時に洗浄水をバキューム吸引する形でしたが、ウルトラファインバブル水の導入後は、ウルトラファインバブル水を噴霧器でトイレ床面に噴霧し、モップでふき取る形に変更しました。
これにより、水の使用量が従来の清掃方法との比較で100分の1にまで削減されたほか、水量削減によって床面乾燥時間が約40%も短縮。清掃スタッフの作業時間も全体で約30%短縮されたそうです。
さらに、それに伴い洗剤の使用量も削減できたことで、環境への負荷が軽減されるという効果も。
加えて「清掃後でも利用者の足元が滑らないので安全」という効果もあり、ウルトラファインバブルの活用がいろいろな面でメリットを生み出していることが分かります。
西日本高速道路エンジニアリング関西では、ウルトラファインバブル清掃については数年前から鉄道事業への導入も進めており、今後もさまざまな場所でウルトラファインバブルの活用が広がりそうです。
シャワーヘッドから洗濯機、給湯器、さらにはサービスエリア・パーキングエリアトイレ清掃まで、さまざまな場面で活躍するファインバブル。洗浄効果や、植物や養殖魚の成長を促進する生理活性成長促進効果、水質浄化殺菌効果など多様な効果を持っていることから、今後も多くの業種で活用が進みそうです。
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<プロフィール>
カワハタユウタロウ
フリーライター。大学卒業後、編集プロダクション勤務を経て、Eコマース・通販関連業界紙の編集部に約7年間所属。その後、新聞社系エンタメニュースサイトの編集部で記者として活動。2017年からフリーランスのライターとして、エンタメ、飲食、企業ブランディングなどの分野で活動中。