介護はひとつのプロジェクト…子どもの役割は「司令塔」

CHECK!

□周りを巻き込んだ介護の体制作りをする

家族ができない介護はプロに任せる

親の状況を知る。「できること」「できないこと」の確認

安藤:親の介護って、やっぱり子どもが全面的にやらなければいけないって思ってしまうのですが。離れて暮らしていると難しいような。

太田:親に介護が必要になったら、介護の体制作りをまず考えます。介護を「ひとつのプロジェクト」と考え、サポートできる人たちをそのメンバーと考えます。

安藤:「ひとつのプロジェクト」ですね。みんなが親の介護というプロジェクトのために一致団結するってことですね!

太田:参加するメンバーには、まずは、介護の中心を担う「主たる介護者」がいます。通常、両親がそろっていれば、元気なほうの親が担当し、主な役割としては、身体的なケアや精神的なケアを担います。

安藤:元気なほうの親か……。でも介護する親も高齢だとなかなか大変ですよね。

太田:もちろん、すべてを1人ではやりきれません。できない部分を子どもがサポートしたり、プロの手を借りたりなど、みんなで役割を分担していくのです。この人たちもプロジェクトのメンバーなのです。最近は1人暮らしで、主たる介護者が不在のケースも増えています。そんなとき、重要な役割を担うのが「キーパーソン」です。

安藤:「キーパーソン」って何ですか?なんだか重要そうな響き……

出所:『知っトク介護 弱った親と自分を守るお金とおトクなサービス超入門 第2版』(KADOKAWA)より抜粋
[図表2]介護はひとつのプロジェクト 出所:『知っトク介護 弱った親と自分を守るお金とおトクなサービス超入門 第2版』(KADOKAWA)より抜粋

太田:キーパーソンの主な役割は、外部との「調整・交渉・手続き」の窓口となり、家族間の意見の取りまとめをする人です。たとえば、介護サービスを利用する場合、申し込みや契約などの手続きが必要になります。またサポートする家族が複数いる場合も、外部との窓口は1つにしておかないと混乱するだけ。こういった役割は、必ずしも身近に暮らしている人がベストとは限りません。離れて暮らしている子どもでもできる役割なのです。

安藤:なるほど! 外部との交渉や調整は、普段仕事をしている子どものほうが向いていそうですね。

出所:
[図表3]状況が変わったら介護体制は見直すこと 出所:『知っトク介護 弱った親と自分を守るお金とおトクなサービス超入門 第2版』(KADOKAWA)より抜粋