退職金の運用はリスクを抑えて長期で行うこと

定年退職時などに受け取る「退職金」。この資金を運用に回してもよいのだろうかと疑問に感じる人もいるのではないでしょうか? 結論からいえば、無理のない範囲で運用に回したほうがよいといえます。

厚生労働省が公表した資料によると、男性の平均寿命は約81歳、女性は約87歳です。また、2050年には平均寿命は男性が85歳、女性は91歳まで延びるといわれています。

出所:「共済サポートナビ 小規模企業共済制度のしおり」、「主な年齢の平均余命」
出典:「共済サポートナビ 小規模企業共済制度のしおり」、「主な年齢の平均余命」より抜粋

つまり、平均的に老後生活は20年以上続く見込みのため、その期間の資金を確保しておく必要があります。そのためには退職金を効率よく運用し、少しでも老後資金が目減りしないよう進めていきましょう。

基本は「長期・分散・積立」で運用し、ポートフォリオにも気を配る

投資経験の浅い人や未経験の人は、「長期・分散・積立」をベースに運用を進めていくことで、最小限にリスクを抑えられます。退職金の運用も基本はこれと同じです。
 

出所:著者作成
出所:著者作成

ただし、退職金の場合は「長期・分散・積立」に加えて、ポートフォリオ(資産配分)にも気を配る必要があります。定年退職で退職金を受け取る方は高齢になっているケースが多いです。

高齢者で年金に依存している場合、運用で大きな損失が生じてしまうと、損失分を取り返すことが困難な状態になります。一方で、ある程度若く労働収入がある方であれば、大きな損失が生じたとしても、時間をかけて損失部分を取り戻すことが可能です。

退職金のポートフォリオに関しては、株式以外にも債券や不動産(REIT)といった異なる商品で構成することをおすすめします。例えば、投資対象を株式20%、債券60%、不動産(REIT)20%と、比較的安全といわれている債券を中心に構成することも、選択肢の1つです。

このように、退職金で運用する場合は、大きな損失を回避できるよう慎重に進めていく必要があります。