欠点ではなく、いいところを見る

グループリーダーが束ねるのは、女性ばかりの25人程度のグループです。もしかして今、「うわ、めんどくさそう!」と思いませんでしたか?


よく「女性が3人集まれば派閥ができる」「女性の職場は人間関係が面倒」などといわれるくらい、女性の職場は大変だと思われているようです。でも、実のところ私自身は、そう感じたことが一度もないんです。能天気に「うちのメンバーは、みんないい人ばっかり!」なんて思っていましたから。


もっとも、そう思っていたのは私だけで、私の気づかないところで、いろんなことを言われていたのかもしれません。わずか2年でグループリーダーになった私を、面白く思わなかった人が、まったくいないほうが不自然でしょう。でも、少なくとも私自身がそう感じたことはありませんでした。

他人の評価を気にしない鈍感力

他人がどう思うかは、他人の決めることだから、気にしても仕方ないですよね。私は、まっとうなことをやることだけ考えて、あとは「どう思われようが人任せ」でいたほうがいいと思います。


作家の渡辺淳一さんが2007年に刊行した著作『鈍感力』は、100万部を超えるベストセラーになりましたね。複雑な現代社会を生き抜くには、一種の〝鈍さ〞が必要であると説いた「鈍感力」は、小泉純一郎元首相が使ったこともあって流行語になりましたが、私こそ〝元祖・鈍感力〞の持ち主なのかもしれません。


だからこそ、他人の目を過剰に気にすることなく、自分が「こうしたほうがいい」と思ったやり方でやれたのだと思います。鈍感なのって、けっこういいものですよ。少なくとも本人は楽です。


では、どうすれば鈍感になれるのか? まずは「自分がどう思われているか」と考えることをいったんやめてみてはいかがでしょうか。そして、「どう思われているか」から「自分はどうありたいか」に、軸足を少しずつ移してみるのです。


いきなり鈍感になるのは難しいと思いますが、少しずつ〝敏感すぎて傷つきやすい私〞を手放していけるといいですね。人にはそれぞれ好き嫌いがあるので、万人に愛されることは不可能です。それに人は、いったん「この人は、こういう人」と思うと、めったなことでは評価を変えません。


さらに、ここが重要なのですが、他人があなたを幸せにしてくれるわけでもありません。つまり「自分がどう思われているか」を気にすることは、ほとんど意味のないことだと私は思うんです。「人からこう見られたい自分」に近づくことよりも、「こうありたい自分」になる努力をしたほうが、ずっと幸せに生きられると思います。

堀野智子
ビューティーアドバイザー